新β2アドレナリン作働薬Procaterol hydrochloride(OPC-2009)の一般薬理作用: 第二報末梢作用について

選択性の高い新β2アドレナリン作働薬procaterol(PRO)の末梢臓器に対する一般薬理作用をsalbutamol(SAL)およびisoproterenol(ISP)と比較検討した.脊髄反射,上頸神経節伝達およびreserpine眼瞼下垂に影響を及ぼさないが,前脛骨筋では神経筋伝達をわずかながら亢進させた.Tolazoline投与によって収縮させた瞬膜を用量依存的に弛緩した(PROはISOの7倍,SALの25倍の強さであった).摘出腸管,摘出非妊娠および妊娠子宮筋,生体内胃,腸,子宮に対して運動抑制であり,その抑制は子宮についてはPROはISOおよびSALより強いが,腸ではISOより弱く,...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1979, Vol.75(4), pp.333-364
Hauptverfasser: 橋本, 虎六, 新谷, 成之, 山下, 修司, 鄭, 正聰, 高井, 正明, 筒井, 正博, 河村, 公太郎, 大川, 直士, 桧山, 隆司, 薮内, 洋一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:選択性の高い新β2アドレナリン作働薬procaterol(PRO)の末梢臓器に対する一般薬理作用をsalbutamol(SAL)およびisoproterenol(ISP)と比較検討した.脊髄反射,上頸神経節伝達およびreserpine眼瞼下垂に影響を及ぼさないが,前脛骨筋では神経筋伝達をわずかながら亢進させた.Tolazoline投与によって収縮させた瞬膜を用量依存的に弛緩した(PROはISOの7倍,SALの25倍の強さであった).摘出腸管,摘出非妊娠および妊娠子宮筋,生体内胃,腸,子宮に対して運動抑制であり,その抑制は子宮についてはPROはISOおよびSALより強いが,腸ではISOより弱く,SALよりわずかに強い.腸管炭末輸送能は抑制であり,皮下投与でPROはISOよりはるかに弱かった.胃液(胃酸),胆汁および膵液分泌に対して,前者に対して有意の抑制を示すが後者には有意の作用を認めなかった.総頸,大腿,腎動脈の血管抵抗はいずれも減少するが,PROの作用はISOとSALの中間にあったが腎動脈についてはPROおよびSALの作用はISOのそれよりはるかに弱かった.心拍数,呼吸に対して促進的であったが,PRO 1mg/kg i.v. でも不整脈を起こさなかった.頸動脈閉塞による昇圧反応を抑制し,PROの作用はISOとSALの中聞であった.無麻酔動物での心拍数増加はイヌで経口投与のPROはISOの190倍,SALの3倍,ラットでPROおよびSALの皮下投与はISOの1/9,経口投与で1/2であった.作用持続はISOより著明に長かった.尿量,GFR,RPF,自由水ならびに浸透圧クリアランス,電解質排泄等の腎機能は血圧下降に伴って低下したがPROの作用はISOとSALの中間であった.血液凝固(第II,第V,第VIII因子,凝固時間,血小板数,活性化部分thromboplastin時間,prothrombin時間測定)および溶血に影響を与えず,局所麻酔作用なく,carrageenin浮腫および酢酸による血管透過性亢進に対して抑制的であった.抗ノルアドレナリン,抗アドレナリン(輸精管あるいは精嚢収縮),抗アセチルコリン(回腸収縮)作用を認めなかった.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.75.333