新β2アドレナリン作働薬Procaterol hydrochloride(OPC-2009)の一般薬理作用: 第一報中枢作用について
選択性の高い新β2アドレナリン作働薬procaterol(PRO)の一般薬理作用をsalbutamol(SAL)およびisoproterenol(ISO)と中枢作用について比較検討した.マウス,ラット,ウサギでは皮下投与(s.c.)15~50mg/kgで運動量の減少,1,000mg/kgで脱力状態を示すが4~8時間で回復,イヌでは経口投与(p.o.)100mg/kg以上で嘔吐が観察された.自発運動量は用量依存的に減少し,そのED50はs.c.およびp.o.でPRO:20.2および245mg/kg,SAL:51.1および133mg/kg,ISO:2.37および143mg/kgであり,metham...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1979, Vol.75(3), pp.271-289 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 選択性の高い新β2アドレナリン作働薬procaterol(PRO)の一般薬理作用をsalbutamol(SAL)およびisoproterenol(ISO)と中枢作用について比較検討した.マウス,ラット,ウサギでは皮下投与(s.c.)15~50mg/kgで運動量の減少,1,000mg/kgで脱力状態を示すが4~8時間で回復,イヌでは経口投与(p.o.)100mg/kg以上で嘔吐が観察された.自発運動量は用量依存的に減少し,そのED50はs.c.およびp.o.でPRO:20.2および245mg/kg,SAL:51.1および133mg/kg,ISO:2.37および143mg/kgであり,methamphetamineによる強制運動の抑制はs.c.でPRO:200mg/kg,SAL:100mg/kg,ISO:20mglkgで観察され,p.o.では800mg/kgまで作用がなかった.斗争行動の抑制(ED50)はs.c.およびp.o.でPRO:129および313mg/kg,SAL:112および240mg/kg,ISO:51および185mg/kgであった.協調運動および筋弛緩作用,halothane麻酔増強作用,抗痙攣作用には100mg/kg s.c.および800mg/kg p.o.までいずれも影響が認められず,hexobarbital睡眠はs.c.およびp.o.でPRO:200および400mg/kg,SAL:100および800mg/kg,ISO:10および200mg/kgで延長し,鎮痛作用はHaffnerおよびRandall-Selitto法では認むべき作用がなかったが,酢酸writhingの抑制はs.c.およびp.o.でPRO:100および400mg/kg,SAL:100および200mg/kg,ISO:20および400mg/kgで認められた.正常体温はPRO:200mg/kg s.c.で降下,ISO:20mg/kg s.c.で上昇,SALでは影響なく,発熱状態の体温はPROおよびSALは10,ISOは1mg/kg i.v.まで影響がなかった.脳波に対しては自発脳波および刺激による覚醒反応閾値にも著明な影響を与えなかった(血圧変動による影響は除く.1mg/kg i.v.以上).以上のように中枢神経系に対しては作用弱く,著しい高用量によってのみ行動反応に対する抑制をおこすに過ぎなかった. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.75.271 |