ブタ膵KallikreinおよびKallidinの各種臓器循環および心臓に対する作用
ブタ膵kallikreinの各種臓器循環に対する作用並びに心臓に対する作用を,麻酔犬において,kallidinのそれと比較しつつ検討した.Kallikrein 0.01-0.1unit/kg静脈内全身投与は各血管床の血流を用量依存的に増加させた.その効果は椎骨動脈で最も強く,次いで,大腿動脈,冠動脈および内頸動脈の順で,上腸間膜動脈,腎動脈および門脈での作用は極めて弱かった.Kallidin O.3-3.Ong/kg静注では殆んど作用は認められなかった.局所動注あるいは門脈内注射の場合,kallikrein 0.01-0.1unitは血流に全く変化のなかった門脈以外は,各血管の血流量を用量依存...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1978, Vol.74(6), pp.711-719 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ブタ膵kallikreinの各種臓器循環に対する作用並びに心臓に対する作用を,麻酔犬において,kallidinのそれと比較しつつ検討した.Kallikrein 0.01-0.1unit/kg静脈内全身投与は各血管床の血流を用量依存的に増加させた.その効果は椎骨動脈で最も強く,次いで,大腿動脈,冠動脈および内頸動脈の順で,上腸間膜動脈,腎動脈および門脈での作用は極めて弱かった.Kallidin O.3-3.Ong/kg静注では殆んど作用は認められなかった.局所動注あるいは門脈内注射の場合,kallikrein 0.01-0.1unitは血流に全く変化のなかった門脈以外は,各血管の血流量を用量依存的に増加させた.その作用は静注時と異なり,椎骨動脈より大腿動脈に強く認められた.他の血管は静注の場合と同様の順位であった.Kallidin 0.3-3.0 ngは静注時と異なりkallikreinとほぼ同様の反応パターンをもつ血管拡張を示し,各血管における作用強度もkallikreinの示した順位と同様であった.開胸犬および心肺標本を用いて静注あるいは右心房内投与,および左心房内投与を試みたところ,kallidinは前者経路では全く作用が現れず,左心房内投与で強い作用が出現したことから,kalldinは肺で殆んど失活することが解った.Kallikreinでは両適用経路の間で反応に差は認められなかった.開胸犬および心肺標本からkallikreinは心収縮力および心拍数といった心機能に対し直接作用を有しないことが明らかにされた.今回kallikreinの示した末梢血管拡張作用は,脳循環および四肢循環障害改善といったkallikreinの臨床応用を裏付けていると思われる. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.74.711 |