(±)-1-(3, 4, 5-trimethoxybenzyl)6hydroxy-1, 2, 3, 4-tetrahydroisoquinoline hydrochloride(CV-705)の麻酔犬における血管拡張作用
要約: 麻酔犬における(±)-1(3, 4, 5-trimethoxybenzyl)-6-hydroxy-1, 2, 3, 4-tetrahydroisoquinoline hydrochloride(CV-705)の血管拡張作用を電磁流量計を用いて調べた. CV-705の静脈内投与による血流量増加作用は, 椎骨動脈, 総頸動脈ならびに内頸動脈で最も強く, 次いで, 大腿動脈, 大動脈および冠血管の順で, 上腸間膜動脈および門脈での作用は極めて弱かった. また, 腎血流量は, 動脈内投与で軽度に増加したが, 静脈内投与でわずかに減少した. このように, CV-705は, 頭部血管拡張作用が比較...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1977-10, Vol.73 (7), p.735-742 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要約: 麻酔犬における(±)-1(3, 4, 5-trimethoxybenzyl)-6-hydroxy-1, 2, 3, 4-tetrahydroisoquinoline hydrochloride(CV-705)の血管拡張作用を電磁流量計を用いて調べた. CV-705の静脈内投与による血流量増加作用は, 椎骨動脈, 総頸動脈ならびに内頸動脈で最も強く, 次いで, 大腿動脈, 大動脈および冠血管の順で, 上腸間膜動脈および門脈での作用は極めて弱かった. また, 腎血流量は, 動脈内投与で軽度に増加したが, 静脈内投与でわずかに減少した. このように, CV-705は, 頭部血管拡張作用が比較的強かった. CV-705の30μg/kg静脈内投与による血管拡張作用の強さと血流分布は, papaverineの30μg/kg静脈内投与によるものと極めてよく類似していた. CV-705の静脈内投与による血流量増加作用の持続時間は, 椎骨動脈, 総頸動脈および内頸動脈で最も長く, 次いで, 大腿動脈, 大動脈および冠血管の順で, 上腸間膜動脈, 門脈および腎動脈では一過性であった. 一方, papaverineの作用持続は, 全ての血管で一過性であった. また, CV-705は, 十二指腸内投与によっても, 椎骨および総頸動脈血流量を増加させた. 一方, CV-705の静脈内投与による降圧ならびに心拍数増加作用は軽度であった. CV-705の総頸動脈血管拡張作用は, atropineおよびtriprolidineの前投与によって影響されなかったが, propranololにより, 部分的に抑制された. 以上のことから, β-アドレナリン作動薬であるAQ-110(trimetoquinolのラセミ体)の7位の水酸基を欠いた化合物であるCV-705は, AQ-110と異なり, β作用が著しく減弱し, いわゆるpapaverme様作用が相対的に強くなった化合物であるといえる. |
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ISSN: | 0015-5691 |