利尿剤に関する研究(第8報) 新降圧利尿剤SE-1520の利尿作用と作用点
「要約」新降圧利尿剤SE-1520の利尿作用とその作用点についてサイアザイド系利尿剤のHydrochlorothiazide(HCT)およびTrichlormethiazide(TCM)と比較検討した. 1)正常ラットにおいてSE-1520は, 尿量では0.1mg/kg p.o.投与から, 尿中Na+排泄では0.05mg/kg投与から有意な増加を示し, 用量依存的に著明な増加作用を示した. しかし尿中K+排泄作用は, 比較的軽度であった. 尿中Cl-排泄作用は, 尿中Na+排泄に対する作用とほぼ同程度であった. 利尿作用の強さは, SE-1520≧TCM≧HCTの順であった. 2)実験的aci...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1977-04, Vol.73 (3), p.321-335 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要約」新降圧利尿剤SE-1520の利尿作用とその作用点についてサイアザイド系利尿剤のHydrochlorothiazide(HCT)およびTrichlormethiazide(TCM)と比較検討した. 1)正常ラットにおいてSE-1520は, 尿量では0.1mg/kg p.o.投与から, 尿中Na+排泄では0.05mg/kg投与から有意な増加を示し, 用量依存的に著明な増加作用を示した. しかし尿中K+排泄作用は, 比較的軽度であった. 尿中Cl-排泄作用は, 尿中Na+排泄に対する作用とほぼ同程度であった. 利尿作用の強さは, SE-1520≧TCM≧HCTの順であった. 2)実験的acidotic, alkalotic, nephritic ratおよびSHRに対してもSE-1520は著明な利尿作用を示した. 作用の強さは, TCM>SE-1520>HCTの順で, 実験的nephritic ratでは, 正常ラットの時より強いNa+利尿を示し, SHRでは, 尿量, Na+, Cl-排泄量とも増加が著しかった. 3)犬腎クリアランス実験により, SE-1520は腎血漿流量(RPF)や糸球体濾過量(GFR)に影響を与えず, 主として尿細管水再吸収率および尿細管Na+再吸収率の減少により著明な利尿作用を現すことを示した. また, 4)犬腎ストップフロー実験により, SE-1520の作用点は, 主として遠位尿細管にあると思われた. |
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ISSN: | 0015-5691 |