中枢性降圧薬clonidineの交感神経作動薬との相互作用による作用様式の解析

Clonidine低用量投与により麻酔ラット血圧は,一過性の昇圧作用と持続性降圧作用からなる二相性の血圧反応を示した.90分後に同用量のclonidineを投与すると,さらには降圧はみられず,二峰性の昇圧作用のみみられること,脊髄ラットでは昇圧作用のみ観察されることと,一方降圧作用は遅れてあらわれること,guanethidineおよびhexamethonium処理後になお降圧がみられる反面,二峰性の昇圧が認められることなどから,低用量のclonidineの血圧作用は,末梢作用に基因する二峰性の昇圧作用と,遅れてあらわれる中枢に基因する持続性降圧作用の合成されたものと考えられる.末梢性の二峰性昇...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1975, Vol.71(3), pp.273-284
Hauptverfasser: 小澤, 光, 植松, 利男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Clonidine低用量投与により麻酔ラット血圧は,一過性の昇圧作用と持続性降圧作用からなる二相性の血圧反応を示した.90分後に同用量のclonidineを投与すると,さらには降圧はみられず,二峰性の昇圧作用のみみられること,脊髄ラットでは昇圧作用のみ観察されることと,一方降圧作用は遅れてあらわれること,guanethidineおよびhexamethonium処理後になお降圧がみられる反面,二峰性の昇圧が認められることなどから,低用量のclonidineの血圧作用は,末梢作用に基因する二峰性の昇圧作用と,遅れてあらわれる中枢に基因する持続性降圧作用の合成されたものと考えられる.末梢性の二峰性昇圧作用は,nialamide処理により増強され,NAの作用には増強ないし影響を与えず,indirect sympathomimetic amineの作用を抑制するcocaine,imipramine,比較的低用量のchlorpromazineおよびhaloperidolなどの処理により抑制されることから,一つは直接的α-mimetic作用に基づき,遅れてあらわれるもう一つの峰は間接作用に基づくものと考えられる.Clonidine高用量投与による血圧反応は,二峰性の昇圧作用のみ示し,cocaine,imipramineおよびguanethidine前処理により増強され,脊髄ラットおよびreserpine処理により抑制されることから,末梢性の昇圧作用と中枢性昇圧作用の合成されたものと考えられる.従ってclonidineは交感神経中枢に対し,partial agonistとして働き,低用量ではα-lytic作用により抑制効果を,高用量ではα-mimetic作用により興奮効果を示すと考えられる.Clonidineに対してTyなどは血圧反転作用および摘出輸精管において収縮の停止作用を示したが,それらはpropranol処理により消失することから,β-mimetic効果と考えられ,clonidineのα-receptor保護作用2)に基因すると考えられる.Clonidineは交感神経終末に影響をおよぼさない用量で選択的に交感神経中枢を抑制すると考えられる.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.71.273