モルモットの下腹神経―精管標本における精管と神経節の隔絶分離法
モルモットの下腹神経一精管標本において精管および神経節に選択的に薬物を投与し得る実験方法を考案した.精管と神経節の隔絶分離は,ショ糖隔絶法で用いられる隔絶法を下腹神経の節後線維にあたる部位において応用することにより達成された.隔絶部の内部は,等張のショ糖液が灌流されているため,隔絶部において陰圧となり,したがって栄養液は隔絶部に吸引されやすく,逆にショ糖液は栄養液槽に流入し難くなる.すなわち,この陰圧の発生によって栄養液槽の隔絶は強化される.本法に用いた等張のショ糖液は栄養液に比して高い電気抵抗を有する,したがって,隔絶部へ栄養液が流入すれば,ショ糖液の電気抵抗が急激にかっ著しく低下する.それ...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1974, Vol.70(5), pp.727-733 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | モルモットの下腹神経一精管標本において精管および神経節に選択的に薬物を投与し得る実験方法を考案した.精管と神経節の隔絶分離は,ショ糖隔絶法で用いられる隔絶法を下腹神経の節後線維にあたる部位において応用することにより達成された.隔絶部の内部は,等張のショ糖液が灌流されているため,隔絶部において陰圧となり,したがって栄養液は隔絶部に吸引されやすく,逆にショ糖液は栄養液槽に流入し難くなる.すなわち,この陰圧の発生によって栄養液槽の隔絶は強化される.本法に用いた等張のショ糖液は栄養液に比して高い電気抵抗を有する,したがって,隔絶部へ栄養液が流入すれば,ショ糖液の電気抵抗が急激にかっ著しく低下する.それゆえ,ショ糖液の電気抵抗の変化を指標として隔絶の状態を確認した。この神経節は精管の近傍に存在するので,精管と神経節の分離の確実性が問題となる.それゆえ,隔絶部において神経を生体染色し,染色部において精管側の部分と神経節側の部分に切断した.これらから,光学顕微鏡切片を作製し,神経節の有無を観察することによって分離の確実性を確認した.さらに諸種の神経節遮断薬を精管あるいは神経節に選択的に投与し,節前および節後神経の電気刺激によって生ずる精管の収縮反応に対しこれらの薬物がおよぼす影響を検討した.この薬理学的実験結果も,本法による隔絶および分離の確実性を裏づけるものであった. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.70.727 |