新しいβ-受容体遮断薬2-Acetyl-7-(2-hydroxy-3-isopropylamino)propoxybenzofuran hydrochlorideの心血管系に対する作用

新しいアドレナリン性βレセプター遮断薬2-acetyl-7-(2-hydroxy-3-isopropylamino)propoxybenzofuran hydrochloride(BFE-60)の心血管系に対する作用をモルモット,イヌおよびラットを用いて検討した.摘出心房と気管標本におけるBFE-60のisoproterenolに対する拮抗作用はpropranololに比較して,それぞれ2倍および6.5倍の効力を呈し,麻酔犬の血圧および心拍数では,それぞれ5倍および21倍の効力を示した.isoproterenolと交感神経刺激による反応をいずれも抑制した.reserpine前処理ラットでBFE...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1974, Vol.70(3), pp.385-397
Hauptverfasser: 岳中, 典男, 石原, 高文, 丸山, 洋一, 舛本, 省三, 井上, 久男, 奥村, 誠, 本間, 久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:新しいアドレナリン性βレセプター遮断薬2-acetyl-7-(2-hydroxy-3-isopropylamino)propoxybenzofuran hydrochloride(BFE-60)の心血管系に対する作用をモルモット,イヌおよびラットを用いて検討した.摘出心房と気管標本におけるBFE-60のisoproterenolに対する拮抗作用はpropranololに比較して,それぞれ2倍および6.5倍の効力を呈し,麻酔犬の血圧および心拍数では,それぞれ5倍および21倍の効力を示した.isoproterenolと交感神経刺激による反応をいずれも抑制した.reserpine前処理ラットでBFE-60の1~1,000μg/kgは心拍数増加をおこさなかった.BFE-60を冠状動脈と大腿動脈内に投与した場合の血流量と血管抵抗には,大量を用いた場合を除けば著変は認められなかった.麻酔犬において,BFE-60は10μg/kgで心拍数の減少をきたし,駆出時間は30μg/kgで延長し,張力時間係数は100μg/kgで減少させた.左心内圧とそのdp/dtは,それぞれ3μg/kgおよび1mg/kgで低下をきたし,Vmaxは100μg/kgで減少した.以上のような変化はいずれも有意であった.心筋酸素消費量はBFE-60の投与により抑制されたが,酸化還元電位(ΔEh)は著変を示さず,isoproterenol(0,3μg/kg)による心筋酸素消費量,心拍数の増加およびΔEhの低下はBFE-60の50ug/kg投与により完全に抑制された.以上の成績から,BFE-60はpropranololよりも強力なβ-レセプター遮断作用を有し,固有活性を示さず,臓器選択性のない薬物であると結論される.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.70.385