Clozapine (W-801)の行動薬理学的ならびに脳波学的研究

「緒言」Clozapine(W-801)は, スイスWander社で開発された新しい向精神薬で, 主な適応症は精神分裂病である. 本剤は強力な鎮静・静穏作用と抗不眠作用を有し, 精神運動興奮, 攻撃性, 衝動行為, 緊張, 不安や不眠などに優れた効果があり, また対人接触障害の改善, 抗幻覚・妄想作用も有し, さらに錐体外路系随伴症状が非常に少ないことが臨床的特徴であるとされている1~7). Clozapineは化学的には8-chloro-11-(4-methyl-1-piperazinyl)-5H-dibenzo〔b, e〕-〔1, 4〕-diazepineでFig.1のような構造を有する....

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1973/01/20, Vol.69(1), pp.85-119
Hauptverfasser: 植木, 昭和, 小川, 暢也, 渡辺, 繁紀, 五味田, 裕, 荒木, 泰典, 藤原, 道弘, 亀井, 千晃, 下村, 恭一, 井上, 雅義, 大石, 了三, 伊比井, 信宏, 田中, 幸四郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」Clozapine(W-801)は, スイスWander社で開発された新しい向精神薬で, 主な適応症は精神分裂病である. 本剤は強力な鎮静・静穏作用と抗不眠作用を有し, 精神運動興奮, 攻撃性, 衝動行為, 緊張, 不安や不眠などに優れた効果があり, また対人接触障害の改善, 抗幻覚・妄想作用も有し, さらに錐体外路系随伴症状が非常に少ないことが臨床的特徴であるとされている1~7). Clozapineは化学的には8-chloro-11-(4-methyl-1-piperazinyl)-5H-dibenzo〔b, e〕-〔1, 4〕-diazepineでFig.1のような構造を有する. 従来のphenothiazine 8)系やbutyrophenone 9)系のmajor tranquilizerは化学構造上異なった薬物であるため, その薬理作用パターンもこれらの薬物にくらべてかなりの差異を示すのではないかと考えられる.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.69.85