N-ethylmaleimide (NEM)の薬理学的能動性に関する研究: 第1報主としてモルモット交感神経シナプス機構におけるNEMの影響
N-ethylmaleimide(以下NEMと略記)は, 1949年Friedmann等1)が強力なSH基阻害剤として導入して以来, 生化学分野で汎用され, その性格も漸次明らかにされてきた2~5). しかして近時, 本剤の組織ないし臓器レベルにおける薬理学的能動性について諸家の関心が集まり, これに関する知見も漸次報告されつつある6~11). しかしながらSH基阻害剤と反応し得る生体側のSH基存在部位や高次の生物学的現象に直接的に関与するSH基の意義等については未だ不詳の点が多く, ことにこれらを論じまた明瞭にするためのSH基阻害剤の薬理学的能動性についての知見も充分とはいい難い. ここにお...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1972, Vol.68(6), pp.626-635 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | N-ethylmaleimide(以下NEMと略記)は, 1949年Friedmann等1)が強力なSH基阻害剤として導入して以来, 生化学分野で汎用され, その性格も漸次明らかにされてきた2~5). しかして近時, 本剤の組織ないし臓器レベルにおける薬理学的能動性について諸家の関心が集まり, これに関する知見も漸次報告されつつある6~11). しかしながらSH基阻害剤と反応し得る生体側のSH基存在部位や高次の生物学的現象に直接的に関与するSH基の意義等については未だ不詳の点が多く, ことにこれらを論じまた明瞭にするためのSH基阻害剤の薬理学的能動性についての知見も充分とはいい難い. ここにおいて, 私は主としてモルモット心房標本ならびに下腹神経-輸精管標本を用い, 交感神経シナプス伝達機構に対するNEMの作用を検し, 若干の成績を得たので報告する. 「実験方法ならびに材料」1.モルモット摘出心房標本 300~500gの雄性成熟モルモットを放血致死せしめ直ちに心臓を摘出し, 心室および附属血管を切除した後, 常法に従って心房標本を作成しその自発律動をストレインゲージを介して等尺性に記録した. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.68.626 |