猫心筋のSarcoplasmic reticulumおよび細胞膜の強心配糖体結合

「緒言」近年, 筋収縮機構の解明により興奮収縮連関におけるCaの重要性が判明するとともに, 強心配糖体の作用機序特にpositive inotropic actionの発現機序をもCa動態の面から説明せんとする試みがなされている. Naylerはその総説の中で, 強心配糖体は心筋の細胞膜及びsarcoplasmic reticulumに作用することにより細胞内の遊離Caを増加させ, この増加したCaが収縮機構に働いてpositive inotropic actionの発現を来すというhypothesisを提唱している. 事実, 強心配糖体によりexchangeable Caの増加が起り, この...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1971, Vol.67(3), pp.252-264
1. Verfasser: 川岸, 俊作
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」近年, 筋収縮機構の解明により興奮収縮連関におけるCaの重要性が判明するとともに, 強心配糖体の作用機序特にpositive inotropic actionの発現機序をもCa動態の面から説明せんとする試みがなされている. Naylerはその総説の中で, 強心配糖体は心筋の細胞膜及びsarcoplasmic reticulumに作用することにより細胞内の遊離Caを増加させ, この増加したCaが収縮機構に働いてpositive inotropic actionの発現を来すというhypothesisを提唱している. 事実, 強心配糖体によりexchangeable Caの増加が起り, このexchangeable Caの増加と強心作用との間に平行関係のあることが報告されている. このようにCa動態の面から見ると, 強心配糖体の作用部位としてsarcoplasmic reticulumおよび細胞膜の重要性が指摘される.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.67.252