17β-Hydroxy-17α-methyl-5α-androstano〔2,3-c〕furazan(Furazabol)のウサギ実験的動脈硬化症に対する治療効果
「緒言」動脈硬化症の成り立ちに性ホルモンが関与していることは, 多くの臨床疫学的な根拠によって裏づけられている. すなわち, 本症の発生率は, 一般に女性の方が男性より低いが, 更年期を境に急激に上昇するといわれている. この見解を支持するものとして, Estrogenは, ヒトおよび動物で血清脂質とくにβ/αリボ蛋白比を下げると同時に抗動脈硬化作用を有することが確かめられている. 一方Androgenに関しては, 血清脂質のβ/αリポ蛋白比を上げるという事実から, 脂質代謝に対してEstrogenとは逆の作用を有し, 従って動脈硬化を増悪させるとみなされていた. しかし, その後の研究ではこ...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1970-07, Vol.66 (4), p.458-474 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」動脈硬化症の成り立ちに性ホルモンが関与していることは, 多くの臨床疫学的な根拠によって裏づけられている. すなわち, 本症の発生率は, 一般に女性の方が男性より低いが, 更年期を境に急激に上昇するといわれている. この見解を支持するものとして, Estrogenは, ヒトおよび動物で血清脂質とくにβ/αリボ蛋白比を下げると同時に抗動脈硬化作用を有することが確かめられている. 一方Androgenに関しては, 血清脂質のβ/αリポ蛋白比を上げるという事実から, 脂質代謝に対してEstrogenとは逆の作用を有し, 従って動脈硬化を増悪させるとみなされていた. しかし, その後の研究ではこの考えが実証され得ないばかりか, Androgenの種類, 動物, あるいはその飼育条件によってはむしろ動脈硬化に対して阻止作用のあることが明らかにされた. この点に関し, Campbellは数種の同化ステロイドがニワトリにおいて抗動脈硬化作用を有することを示し, Androgenの抗動脈硬化作用がその蛋白同化作用と相関すると述べている. このことは, ニワトリにおける動脈硬化が高蛋白食投与によって軽減され, また人において低蛋白食摂取時にAndrogenのコレステロール低下作用が著しいことからも, じゅうぶんに考えられることである. |
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ISSN: | 0015-5691 |