Bradykininの血管作用: 拡張の条件および機構について
「緒言」Bradykininの研究はRocha e Silvaの論文に端を発するのであるが, その血管作用についてはHoltonの顕微鏡的観察以来, 拡張物質とされて来た. しかし, Guth, Rowley等が静脈収縮を明らかにするに至り, Bradykininの血管作用が決して単純なものではないことがわかって来た. さらに最近では, その炎症性作用が注目され, 抗Bradykinin剤の開発も進められているのであるが, Rowleyは血管作用の立場からBradykininの病態生理について論じている. すなわち, 従来からいわれているBradykininによる血管拡張は, 静脈収縮の結果,...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1970, Vol.66(2), pp.266-274 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」Bradykininの研究はRocha e Silvaの論文に端を発するのであるが, その血管作用についてはHoltonの顕微鏡的観察以来, 拡張物質とされて来た. しかし, Guth, Rowley等が静脈収縮を明らかにするに至り, Bradykininの血管作用が決して単純なものではないことがわかって来た. さらに最近では, その炎症性作用が注目され, 抗Bradykinin剤の開発も進められているのであるが, Rowleyは血管作用の立場からBradykininの病態生理について論じている. すなわち, 従来からいわれているBradykininによる血管拡張は, 静脈収縮の結果, それより上流の血管内圧が高まるため受動的に起るもので, さらにその結果, 毛細血管の充血と内皮細胞間隙の拡大を生じ, そこから血漿あるいは血球が漏出するとし, いわゆる炎症における血管透過性虚血現象の第一段階は静脈収縮であると述べている. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.66.266 |