組織透過性に対する諸種薬物の影響 (第4報)

「緒言」著者らは前報までにおいて正常ラットの皮膚結合組織透過性に関して抗炎症剤を含む諸種薬物の全身作用を検討した結果, ステロイド性ならびに非ステロイド性抗炎症剤の抗炎症作用と組織透過性抑制作用との間にはよい相関関係を有すること, および, それらの抑制作用の多くはL-Ascorbic acidまたはThiamine誘導体の併用により増強されることなどを認め報告した. 一般に炎症発生の際には多くの蛋白分解酵素および加水分解酵素が活性化され炎症局所に蛋白分解およびムコ多糖体の分解現象が見られ, それ故に組織透過性が亢進するものと思われる. そこで今回は蛋白分解酵素としてPronase Pおよびα...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1970, Vol.66(1), pp.19-35
Hauptverfasser: 山上, 一香, 鈴木, 良雄, 伊藤, 幹雄, 藤村, 一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」著者らは前報までにおいて正常ラットの皮膚結合組織透過性に関して抗炎症剤を含む諸種薬物の全身作用を検討した結果, ステロイド性ならびに非ステロイド性抗炎症剤の抗炎症作用と組織透過性抑制作用との間にはよい相関関係を有すること, および, それらの抑制作用の多くはL-Ascorbic acidまたはThiamine誘導体の併用により増強されることなどを認め報告した. 一般に炎症発生の際には多くの蛋白分解酵素および加水分解酵素が活性化され炎症局所に蛋白分解およびムコ多糖体の分解現象が見られ, それ故に組織透過性が亢進するものと思われる. そこで今回は蛋白分解酵素としてPronase Pおよびα-Chymotrypsin, ムコ多糖体分解酵素としてHyaluronidaseを用い更に, 炎症のChemical mediatorであるHistamineを使用して惹起せしめた組織透過性亢進状態に対する諸種薬物の影響について検討した結果多くの興味ある知見が得られたので報告する. 「実験方法」実験方法は前報とほぼ同様Evans blue色素拡散法を使用した. 実験動物として体重150±59のWistar系雌ラットを使用し一群5匹を平均体重がほぼ等しくなるように配分した.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.66.19