延胡索成分アルカロイドの実験動物における胃液分泌抑制作用並びに抗潰瘍作用

「緒言」延胡索(Corydalis bulbosa)は古来漢方において鎮痛, 鎮痙薬として上腹部痛, 頭痛に用いられて来た. なお延胡索成分アルカロイドの薬理学的研究についてKsuとKinが, その成分アルカロイドのtetrahydropalmatineに中枢神経抑制作用を見出した. 抽出成分についてWerleとPalm, 萩庭らにより, また各種の含有アルカロイドについて北畠らによりそれぞれパパべリン様の鎮痙作用が認められているにすぎない. 延胡索アルカロイドの生薬学的研究が岩佐らにより行なわれたのと平行して, 筆者らは薬理学的に検討を加えた結果, 特に本生薬より抽出精製された第四級塩基を主...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1969/05/20, Vol.65(3), pp.196-209
Hauptverfasser: 荘司, 行伸, 門河, 敏明, 増田, 義信, 河島, 勝良, 中村, 圭二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」延胡索(Corydalis bulbosa)は古来漢方において鎮痛, 鎮痙薬として上腹部痛, 頭痛に用いられて来た. なお延胡索成分アルカロイドの薬理学的研究についてKsuとKinが, その成分アルカロイドのtetrahydropalmatineに中枢神経抑制作用を見出した. 抽出成分についてWerleとPalm, 萩庭らにより, また各種の含有アルカロイドについて北畠らによりそれぞれパパべリン様の鎮痙作用が認められているにすぎない. 延胡索アルカロイドの生薬学的研究が岩佐らにより行なわれたのと平行して, 筆者らは薬理学的に検討を加えた結果, 特に本生薬より抽出精製された第四級塩基を主成分とし, 第三級塩基をも含む有効アルカロイドであるcorydaloid(Coryloid)に, 強い胃液分泌抑制作用および抗潰瘍作用を見出し, これらの効果は臨床的にも確認された. なお, 本報告ではcorydaloidおよびその有効主成分であるdehydrocorydaline chlorideの薬理学的研究成績を記述し, その作用機序を考察した.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.65.196