脳-Acetylcholine遊離におよぼすMorphineの影響

中枢神経機能の変化と脳-Acetylcholine(脳-ACh)levelの変動については多くの報告があり, 中枢の興奮, あるいは麻痺の時ばかりでなく, Morphineなどの鎮痛剤の投与によっても, 脳-ACh levelが変動することが報告されている. しかし, このMorphineの場合脳-ACh levelの上昇を認めている報告と, 逆に減少を認めている報告があり, また通常の鎮痛量では無影響だとの報告もあり, その成績は一致していない. 脳-ACh levelの変動には分解系, 合成系, さらに結合型からのACh遊離という三つの系が関与するものと考えられる. 分解系は, Acety...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1967/11/20, Vol.63(6), pp.494-500
Hauptverfasser: 菅野, 司, 竹野, 一, 柳谷, 岩雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:中枢神経機能の変化と脳-Acetylcholine(脳-ACh)levelの変動については多くの報告があり, 中枢の興奮, あるいは麻痺の時ばかりでなく, Morphineなどの鎮痛剤の投与によっても, 脳-ACh levelが変動することが報告されている. しかし, このMorphineの場合脳-ACh levelの上昇を認めている報告と, 逆に減少を認めている報告があり, また通常の鎮痛量では無影響だとの報告もあり, その成績は一致していない. 脳-ACh levelの変動には分解系, 合成系, さらに結合型からのACh遊離という三つの系が関与するものと考えられる. 分解系は, Acetylcholine-esterase(ACh E)の作用によるのであるが, これに対するMorphineの影響は, 鎮痛量では影響がないと考えてよいようである.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.63.494