二,三中樞神経及び自律神経系作用薬のヒスタミン及びセロトニン遊離作用の比較
「緒言」ヒスタミンとセロトニンはその作用上密接なる関係にある. いずれも血小板及び肥満細胞中に多量含まれており, これがアレルギー及びアナフィラキシーの時に多量遊離され, これがその症状の原因を為すとされ, 更にこの場合今日ではむしろセロトニンの方が主なる役目を演じているという説が出されるに到っている1). この場合ヒスタミンの遊離については既に多数の研究があるがセロトニンの遊離については極く最近の研究により認められたものであり, 即ちHumphrey及びJacques 2)は抗体を含有するヘパリン加血漿に懸吊した家兎血小板に抗原を加えるとセロトニンとヒスタミンの両者が遊離される事を報告し,...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1959/01/20, Vol.55(1), pp.103-108 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」ヒスタミンとセロトニンはその作用上密接なる関係にある. いずれも血小板及び肥満細胞中に多量含まれており, これがアレルギー及びアナフィラキシーの時に多量遊離され, これがその症状の原因を為すとされ, 更にこの場合今日ではむしろセロトニンの方が主なる役目を演じているという説が出されるに到っている1). この場合ヒスタミンの遊離については既に多数の研究があるがセロトニンの遊離については極く最近の研究により認められたものであり, 即ちHumphrey及びJacques 2)は抗体を含有するヘパリン加血漿に懸吊した家兎血小板に抗原を加えるとセロトニンとヒスタミンの両者が遊離される事を報告し, 井上3)はモルモットで鷄卵白感作によるアナフィラキシー発作時, 門脈血中のセロトニン含有量が対照に比し有意の差を以て増加する事を認めた. さらにこの両物質は共に中枢神経系の組織中に含まれて居り, その機能と関係ありとされ, 或は又そのインプルスの伝導物質と目され, それぞれhistaminergisch, serotonergischなる語も作られている. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.55.103 |