摘出蛙心臓実験に於けるPilocarpineの抗Acetylcholine作用に就て

「緒言」 須田1)は昭和25年の第23回日本薬理学会に於て「Pilocarpine(以下Pil. と略記)の家兎瞳孔に及ぼす作用知見補遺」なる題で次の様に報告した. 即ち「Pil. を家兎に点眼した際, 縮瞳に随伴して対光反応の滅弱乃至消失が起る. 然かもPil. によるこの対光反応の減弱乃至消失はその縮瞳極期に於て最も高度であつて, 縮瞳の回復と共に対光反応の減弱も亦恢復することから, Pil. には縮瞳作用, 即ち動眼神経末梢刺戟作用の外にこれとは作用部位の異なる対光反応減弱作用, 即ち動眼神経径路に於ける興奮伝導の抑制作用をも有すると考えられるが, 後者の対光反応減弱作用の作用部位の詳細...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1957/09/20, Vol.53(5), pp.881-884
Hauptverfasser: 須田, 正房, 遠山, 富夫, 遠山, 美知, 関, 鋼三郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 須田1)は昭和25年の第23回日本薬理学会に於て「Pilocarpine(以下Pil. と略記)の家兎瞳孔に及ぼす作用知見補遺」なる題で次の様に報告した. 即ち「Pil. を家兎に点眼した際, 縮瞳に随伴して対光反応の滅弱乃至消失が起る. 然かもPil. によるこの対光反応の減弱乃至消失はその縮瞳極期に於て最も高度であつて, 縮瞳の回復と共に対光反応の減弱も亦恢復することから, Pil. には縮瞳作用, 即ち動眼神経末梢刺戟作用の外にこれとは作用部位の異なる対光反応減弱作用, 即ち動眼神経径路に於ける興奮伝導の抑制作用をも有すると考えられるが, 後者の対光反応減弱作用の作用部位の詳細は判らない」と. その後このことに就て更に研究し, 須田2)は昭和30年の第6回日本薬理学会北部会に於て「Pil. 点眼に家兎の瞳孔散大と対光反応減弱との本態に就て」なる題で「前述のPil. の対光反応減弱作用はPil. の抗ACh作用に起因するもので, Pil. 点眼により周知の如く動眼神経の筋神経結合部の刺戟により縮瞳が起るが, 同時にその抗ACh作用によつて光による網膜刺戟があつた場合, 反射的に動眼神経末梢にAChの遊離が起つても, このAChによる縮瞳の加重の発現を阻止し, 従つて対光反応が現われなくなるのである」と説明した.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.53.881