MRSAによる化膿性脊椎椎間板炎の12歳女児例

化膿性脊椎椎間板炎は稀な疾患であり,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を起炎菌とする小児例の報告はさらに少ない.今回,MRIで化膿性脊椎椎間板炎と診断し,MRSAが起炎菌と考えられた症例を経験したため報告する.症例は12歳女児.遷延する腰痛と発熱を主訴に受診した.血液検査で炎症反応の上昇を認め,MRIを行ったところ,L1/L2椎体および椎間板に病変を認め,化膿性脊椎椎間板炎と診断した.血液培養でMRSAが検出されたため,バンコマイシン塩酸塩の投与を6週間行った.発熱と腰痛は速やかに改善し,治療終了後も症状の再燃や後遺症はなかった.本症例は保存療法のみで改善が得られたが,成人のMRSA化膿...

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Veröffentlicht in:日本小児放射線学会雑誌 2023, Vol.39(2), pp.97-101
Hauptverfasser: 南木, 那津雄, 山口, 直哉, 浅井, 雅美, 水野, 美穂子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:化膿性脊椎椎間板炎は稀な疾患であり,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を起炎菌とする小児例の報告はさらに少ない.今回,MRIで化膿性脊椎椎間板炎と診断し,MRSAが起炎菌と考えられた症例を経験したため報告する.症例は12歳女児.遷延する腰痛と発熱を主訴に受診した.血液検査で炎症反応の上昇を認め,MRIを行ったところ,L1/L2椎体および椎間板に病変を認め,化膿性脊椎椎間板炎と診断した.血液培養でMRSAが検出されたため,バンコマイシン塩酸塩の投与を6週間行った.発熱と腰痛は速やかに改善し,治療終了後も症状の再燃や後遺症はなかった.本症例は保存療法のみで改善が得られたが,成人のMRSA化膿性脊椎椎間板炎では保存的治療が奏功せず,外科的治療を要する症例も存在する.化膿性脊椎椎間板炎は特異的な症状や検査所見に乏しく診断に難渋することもあるが,発熱と腰痛を呈した症例は,本症を念頭に置き早期診断に心がけることが重要である.
ISSN:0918-8487
2432-4388
DOI:10.20844/jspr.39.2_97