先天性胆道拡張症の晩期合併症として胆管炎から肝膿瘍を発症した一例
10か月時に先天性胆道拡張症,戸谷分類IV-A型で肝外胆管切除術と肝管空腸吻合術を行った女児.術前から左右両葉に多発性の肝内末梢胆管の嚢胞状拡張を認め,術中胆道造影で嚢胞と胆管の交通を確認した.11歳時に心窩部痛と発熱を主訴に来院し,腹部超音波検査で肝左葉に嚢胞成分と充実性成分を含む約20 mmの腫瘤及び後方エコーの増強を認めた.腹部造影CTでは,腫瘤自体の造影剤による増強効果はなく,周囲は動脈相早期に濃染された.術前より認めていた肝内拡張胆管に一致していたことから,胆管炎に伴う肝膿瘍と診断した.抗菌薬による治療で改善し,第21病日に退院した.膿瘍部の嚢胞は残存していたが,患者・家族に外科的治...
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Veröffentlicht in: | 日本小児放射線学会雑誌 2022, Vol.38(2), pp.109-114 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 10か月時に先天性胆道拡張症,戸谷分類IV-A型で肝外胆管切除術と肝管空腸吻合術を行った女児.術前から左右両葉に多発性の肝内末梢胆管の嚢胞状拡張を認め,術中胆道造影で嚢胞と胆管の交通を確認した.11歳時に心窩部痛と発熱を主訴に来院し,腹部超音波検査で肝左葉に嚢胞成分と充実性成分を含む約20 mmの腫瘤及び後方エコーの増強を認めた.腹部造影CTでは,腫瘤自体の造影剤による増強効果はなく,周囲は動脈相早期に濃染された.術前より認めていた肝内拡張胆管に一致していたことから,胆管炎に伴う肝膿瘍と診断した.抗菌薬による治療で改善し,第21病日に退院した.膿瘍部の嚢胞は残存していたが,患者・家族に外科的治療の希望がなく,保存的に経過観察した.現在まで3年5か月間,肝膿瘍の再発はない.先天性胆道拡張症術後患者では,合併症の発生を念頭に置いたフォローが必要である. |
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ISSN: | 0918-8487 2432-4388 |
DOI: | 10.20844/jspr.38.2_109 |