CFAP410遺伝子変異を認めた軸性脊椎骨幹端異形成症の5歳女児例

軸性脊椎骨幹端異形成症は,軸性骨格と四肢骨近位部の骨幹端に異形成を示し,網膜色素変性症を伴う稀な常染色体潜性遺伝病(劣性遺伝病)である.症例は5歳女児.1歳頃から胸郭変形が出現し,両側乳頭の外側下部が陥凹していた.画像検査にて,肋骨の短縮,肋骨前縁のフレアリングおよび大腿骨近位骨幹端の不整像を認めた.四肢骨遠位部の異常は認められなかった.視力は高度に低下し,網膜電図にて網膜色素変性症と診断された.遺伝子解析にてCFAP410遺伝子にホモ接合変異が同定され,臨床症状と合わせて軸性脊椎骨幹端異形成症と診断した.本例に認めた骨変形は,骨幹端異形成症における骨の成長様式で説明し得る特徴的な所見であった...

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Veröffentlicht in:日本小児放射線学会雑誌 2022, Vol.38(2), pp.103-108
Hauptverfasser: 多賀, 香織, 藤澤, 麗子, 清水, 陽, 佐藤, 仁志, 伊藤, 順庸, 岡島, 英明, 安藤, 誠, 王, 錚, 犀川, 太
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:軸性脊椎骨幹端異形成症は,軸性骨格と四肢骨近位部の骨幹端に異形成を示し,網膜色素変性症を伴う稀な常染色体潜性遺伝病(劣性遺伝病)である.症例は5歳女児.1歳頃から胸郭変形が出現し,両側乳頭の外側下部が陥凹していた.画像検査にて,肋骨の短縮,肋骨前縁のフレアリングおよび大腿骨近位骨幹端の不整像を認めた.四肢骨遠位部の異常は認められなかった.視力は高度に低下し,網膜電図にて網膜色素変性症と診断された.遺伝子解析にてCFAP410遺伝子にホモ接合変異が同定され,臨床症状と合わせて軸性脊椎骨幹端異形成症と診断した.本例に認めた骨変形は,骨幹端異形成症における骨の成長様式で説明し得る特徴的な所見であった.骨系統疾患を疑う際は,骨の成長様式と部位ごとの特徴を理解することが重要である.
ISSN:0918-8487
2432-4388
DOI:10.20844/jspr.38.2_103