内耳奇形に合併した肺炎球菌髄膜脳炎の一例

先天性難聴の原因となる内耳奇形は,小児における反復性髄膜炎の主な原因である髄液瘻を合併しうる.我々は肺炎球菌髄膜脳炎を呈した5歳女児例を経験した.症例は先天性難聴の既往があり2歳時に側頭骨CT検査で内耳奇形と診断された.当院受診時,意識障害と片麻痺を認めていた.頭部単純CT検査で高度の脳浮腫,頭部単純MRI拡散強調画像で左前頭頭頂弁蓋部に高信号を認めた.過去の側頭骨CT検査において髄液瘻が明らかとなり反復性髄膜炎のリスクがあると考え内耳充填術を施行した.術後髄膜炎の再発は認めていない.内耳奇形を合併する患者においては髄液瘻の合併と髄膜炎のリスクを評価することが重要である....

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Veröffentlicht in:日本小児放射線学会雑誌 2019, Vol.35(2), pp.139-142
Hauptverfasser: 清水, 達人, 田口, 律代, 金子, 修也, 谷口, 義弘, 津田, 英夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:先天性難聴の原因となる内耳奇形は,小児における反復性髄膜炎の主な原因である髄液瘻を合併しうる.我々は肺炎球菌髄膜脳炎を呈した5歳女児例を経験した.症例は先天性難聴の既往があり2歳時に側頭骨CT検査で内耳奇形と診断された.当院受診時,意識障害と片麻痺を認めていた.頭部単純CT検査で高度の脳浮腫,頭部単純MRI拡散強調画像で左前頭頭頂弁蓋部に高信号を認めた.過去の側頭骨CT検査において髄液瘻が明らかとなり反復性髄膜炎のリスクがあると考え内耳充填術を施行した.術後髄膜炎の再発は認めていない.内耳奇形を合併する患者においては髄液瘻の合併と髄膜炎のリスクを評価することが重要である.
ISSN:0918-8487
2432-4388
DOI:10.20844/jspr.35.2_139