小児急性虫垂炎における画像診断の有用性

急性虫垂炎は小児の急性腹症をきたすcommon diseaseである.急性虫垂炎と診断された場合,標準治療は手術による虫垂の切除だが,複雑性虫垂炎に対してはinterval appendectomy(以下,IA)を選択することもある.軽症の場合,手術や抗菌薬投与を行わずとも症状の軽快が得られるspontaneously resolving appendicitis(以下,SRA)の報告もある.東京都立小児総合医療センター(以下,当施設)では,急性虫垂炎が疑われる場合は小児外科医が超音波検査を施行,急性虫垂炎の確定診断及び当施設独自のGrade分類を行い,治療方針を決定している.虫垂壁の構造が保...

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Veröffentlicht in:日本小児放射線学会雑誌 2019, Vol.35(2), pp.72-77
Hauptverfasser: 加藤, 源俊, 下島, 直樹, 富田, 紘史, 廣部, 誠一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:急性虫垂炎は小児の急性腹症をきたすcommon diseaseである.急性虫垂炎と診断された場合,標準治療は手術による虫垂の切除だが,複雑性虫垂炎に対してはinterval appendectomy(以下,IA)を選択することもある.軽症の場合,手術や抗菌薬投与を行わずとも症状の軽快が得られるspontaneously resolving appendicitis(以下,SRA)の報告もある.東京都立小児総合医療センター(以下,当施設)では,急性虫垂炎が疑われる場合は小児外科医が超音波検査を施行,急性虫垂炎の確定診断及び当施設独自のGrade分類を行い,治療方針を決定している.虫垂壁の構造が保たれている,または不整であっても血流が亢進している場合は,補液のみで経過観察を行う.壁構造の不整かつ血流の低下,もしくは壁構造の消失がみられる場合は準緊急的な手術,もしくはIAの方針としている.腫瘤形成性虫垂炎に対しては,抗生剤加療を先行し,膿瘍消失後3か月以降にIAを行っている.超音波による虫垂の形態評価,血流評価は,急性虫垂炎の診断のみならず,治療方針を決める上で有用であると考えられた.
ISSN:0918-8487
2432-4388
DOI:10.20844/jspr.35.2_72