腹部dynamic CTにより遊走脾捻転を診断し自然整復した稀な1例

「I はじめに」脾梗塞は外科的治療を念頭に置き, 早急な原因の究明が必要となる. また, 遊走脾は非常に稀な疾患であり, 捻転による脾梗塞をきたすことがある. 本症例は, 発熱及び腹痛を主訴に受診した. 腹部超音波検査と造影CTで脾梗塞が疑われ, さらに腹部dynamic CTによって, 遊走脾捻転を同定することができた. 一般的には手術適応になるが, 保存的治療で自然軽快した. 経過としても稀であり, 貴重な症例を経験したので報告する. 「II 症例」症例:14歳, 男児 主訴:腹痛, 発熱 現病歴:入院4日前に発熱と突然の腹痛が出現し, 近医を受診した. 胃腸炎と診断された. その後も症状...

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Veröffentlicht in:日本小児放射線学会雑誌 2018, Vol.34(1), pp.31-35
Hauptverfasser: 山﨑, 幸太, 上野, 健太郎, 武田, 桃子, 海野, 浩寿, 伊藤, 亮, 臼井, 秀仁, 伊東, 建
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」脾梗塞は外科的治療を念頭に置き, 早急な原因の究明が必要となる. また, 遊走脾は非常に稀な疾患であり, 捻転による脾梗塞をきたすことがある. 本症例は, 発熱及び腹痛を主訴に受診した. 腹部超音波検査と造影CTで脾梗塞が疑われ, さらに腹部dynamic CTによって, 遊走脾捻転を同定することができた. 一般的には手術適応になるが, 保存的治療で自然軽快した. 経過としても稀であり, 貴重な症例を経験したので報告する. 「II 症例」症例:14歳, 男児 主訴:腹痛, 発熱 現病歴:入院4日前に発熱と突然の腹痛が出現し, 近医を受診した. 胃腸炎と診断された. その後も症状は改善せず, 当院救急外来を受診した. 便秘を考え浣腸を行ったが, 症状改善なく, 精査加療のため入院した. 入院時身体所見:体温37.5℃ 脈拍数71/分 呼吸数20/分 血圧101/67mmHg SpO2 99%(室内気).
ISSN:0918-8487
2432-4388
DOI:10.20844/jspr.34.1_31