小児領域における骨傷の画像診断

「はじめに」小児の骨折の診断は難しい. 例えばFig. 1のような分娩外傷による骨折, つまり骨幹部骨折で偏位が明らかなものであれば診断は容易であるが, そうではない骨折が大部分であるため, 診断が難しいのである. 本稿では小児特有の骨折, 骨折の時間経過, アライメント, 適切な撮影法をキーワードとして, 骨折の典型例を解説していく. 「小児特有の骨折」「1. 不全骨折」小児の骨は成人に比べて弾性に富むため, 不全骨折と呼ばれる偏位の少ない骨折が特徴的である. これには若木骨折, 隆起(竹節)骨折, 塑性変形などが含まれている. 隆起骨折のように皮質のわずかな膨隆を見抜くためには2 方向の撮...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児放射線学会雑誌 2017, Vol.33(2), pp.51-59
1. Verfasser: 古川, 理恵子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」小児の骨折の診断は難しい. 例えばFig. 1のような分娩外傷による骨折, つまり骨幹部骨折で偏位が明らかなものであれば診断は容易であるが, そうではない骨折が大部分であるため, 診断が難しいのである. 本稿では小児特有の骨折, 骨折の時間経過, アライメント, 適切な撮影法をキーワードとして, 骨折の典型例を解説していく. 「小児特有の骨折」「1. 不全骨折」小児の骨は成人に比べて弾性に富むため, 不全骨折と呼ばれる偏位の少ない骨折が特徴的である. これには若木骨折, 隆起(竹節)骨折, 塑性変形などが含まれている. 隆起骨折のように皮質のわずかな膨隆を見抜くためには2 方向の撮影が必要である. また, 塑性変形は骨皮質は断裂せず, 彎曲が生じるだけの骨傷である. 塑性変形の診断は難しく, 軽微な彎曲は健側と比較してもわかりにくいことがある. 彎曲が強いとリモデリングが十分に行われず変形が残ることがある.
ISSN:0918-8487
2432-4388
DOI:10.20844/jspr.33.2_51