8 塗り絵の脳組織酸素動態に及ぼす影響

【目的】 ストレス解消や癒し効果があるとして愛好者が増えつつある「大人の塗り絵本」は, 認知症のリハビリにも効果があるとされている. そこで, 本研究は, 塗り絵による脳組織酸素動態の変化からリハビリテーション効果を検討した. 【方法】 健康女性6名(20~40歳代)を対象に, 塗り絵と内田クレペリン精神検査による単純加算を行ってもらい, 左右の前額部の脳組織酸素動態を近赤外線酸素モニタで測定した. 【結果と考察】 塗り絵時の酸素化ヘモグロビン(Hb), 脱酸素化Hbおよび両者を合わせた全Hb濃度は計算時より大きく増加したことから, 塗り絵の方が計算より脳組織の活動を活性化したと推測される....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:脳科学とリハビリテーション 2010, Vol.10, p.45-45
Hauptverfasser: 増田敦子, 横井麻理, 増山茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】 ストレス解消や癒し効果があるとして愛好者が増えつつある「大人の塗り絵本」は, 認知症のリハビリにも効果があるとされている. そこで, 本研究は, 塗り絵による脳組織酸素動態の変化からリハビリテーション効果を検討した. 【方法】 健康女性6名(20~40歳代)を対象に, 塗り絵と内田クレペリン精神検査による単純加算を行ってもらい, 左右の前額部の脳組織酸素動態を近赤外線酸素モニタで測定した. 【結果と考察】 塗り絵時の酸素化ヘモグロビン(Hb), 脱酸素化Hbおよび両者を合わせた全Hb濃度は計算時より大きく増加したことから, 塗り絵の方が計算より脳組織の活動を活性化したと推測される. また, 塗り絵では左より右の方が大きく増加しており, 「何色で塗るか」「どこから塗るか」といった作業プランを立てるなど, 塗り絵は単純作業のように見えるが, 緻密な論理処理を必要としている可能性があり, 認知症のリハビリに何かしらの効果が期待される.
ISSN:1349-0044