2 療養環境とリハビリテーションに関する最近の研究動向
建築家の立場から加齢に伴う空間や標識の色彩誤認に着目した研究で高名な吉田あこ氏は, この研究に興味をもった契機として, ニューヨーク大学の理学療法学博士論文を挙げている. ここには, アルツハイマーの実験用の病棟構成の章で, 加齢によって視界が黄変化し, 空間や標識の色彩が異なって見えるので, まず患者の目になってみるため, 黄色の透明薄膜を使って病棟をチェックしたとある. ここで特記したいことが2つある. 1つは米国においては数十年前にすでに理学療法学の学位論文に病棟環境をテーマとして取り上げているものが存在するということ, もう1つは, 理学療法も良質な研究をすれば他の研究領域に引け目を感...
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Veröffentlicht in: | 脳科学とリハビリテーション 2007, Vol.7, p.36-37 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 建築家の立場から加齢に伴う空間や標識の色彩誤認に着目した研究で高名な吉田あこ氏は, この研究に興味をもった契機として, ニューヨーク大学の理学療法学博士論文を挙げている. ここには, アルツハイマーの実験用の病棟構成の章で, 加齢によって視界が黄変化し, 空間や標識の色彩が異なって見えるので, まず患者の目になってみるため, 黄色の透明薄膜を使って病棟をチェックしたとある. ここで特記したいことが2つある. 1つは米国においては数十年前にすでに理学療法学の学位論文に病棟環境をテーマとして取り上げているものが存在するということ, もう1つは, 理学療法も良質な研究をすれば他の研究領域に引け目を感じることはないということ, さて, ここ数年間に私は家族が入院する経験が何度かあった. 殺伐としたある病院では見舞い後相当に疲労困憊した記憶がある. ある病院の小児病棟ではプレイルームやデイルームで精神的にどれほど救われたことか. 国内有数のあるリハ病院の視察では, 喫煙所で多くの脊損患者の談笑が見られた. スウェーデンの認知症性老人のデイケアーでは家庭的な雰囲気で利用者が活き活きしていた. 本稿はリハにおいて暖かみのある療養環境の重要性について述べる. |
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ISSN: | 1349-0044 |