中村ら“保存的治療で治癒を得た気管内挿管による広範な気管膜様部損傷の1例”

本論文では, 挿管時の気管チューブによる気管膜様部損傷に対して, チューブ先端を損傷部より末梢側に進めてカフを膨らませることでさらなる圧損傷を防ぎ, 保存的に治療することに成功した症例を報告されている. 気管損傷を保存的に治療する場合, 縦隔炎の予防に抗菌薬を使用し, 肉芽の形成や気管狭窄の有無を確認するために気管支鏡で定期的に観察する必要がある. 本症例は低心機能のためなるべく外科手術は避けたい状況であった. 適切なチューブ管理と保存的治療により, 食道損傷や縦隔炎・気腫を合併することなく, 良好な経過とともに治癒に至った. 大変貴重な報告であり, 興味深く読ませていただいた....

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Veröffentlicht in:気管支学 2024/03/25, Vol.46(2), pp.77-78
1. Verfasser: 中山, 雅之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本論文では, 挿管時の気管チューブによる気管膜様部損傷に対して, チューブ先端を損傷部より末梢側に進めてカフを膨らませることでさらなる圧損傷を防ぎ, 保存的に治療することに成功した症例を報告されている. 気管損傷を保存的に治療する場合, 縦隔炎の予防に抗菌薬を使用し, 肉芽の形成や気管狭窄の有無を確認するために気管支鏡で定期的に観察する必要がある. 本症例は低心機能のためなるべく外科手術は避けたい状況であった. 適切なチューブ管理と保存的治療により, 食道損傷や縦隔炎・気腫を合併することなく, 良好な経過とともに治癒に至った. 大変貴重な報告であり, 興味深く読ませていただいた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.46.2_77