PPFEに合併した難治性気胸に対する1手術例

背景.間質性肺炎(interstitial pneumonia:IP)に合併した気胸の治療ではIPの急性増悪が問題となり,手術成績は不良である.胸膜肺実質線維弾性症(pleuroparenchymal fibroelastosis:PPFE)合併気胸に対して手術を行い良好な経過が得られた報告は少ない.症例.69歳,男性.PPFEの診断で在宅酸素療法を導入されていた.両側軽度気胸を発症し経過観察されたが,左気胸が進行した.胸腔ドレナージ後に自己血による胸膜癒着療法を6回行ったが奏効せず,右側にドレーンを留置後,左気胸に対し胸腔鏡補助下肺瘻閉鎖術を行った.IPの急性増悪を予防するため手術手技を工夫...

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Veröffentlicht in:気管支学 2023/09/25, Vol.45(5), pp.333-338
Hauptverfasser: 肥塚, 智, 佐野, 厚, 東, 陽子, 坂井, 貴志, 大塚, 創, 佐藤, 史朋, 坂本, 晋, 海老原, 覚, 岸, 一馬, 伊豫田, 明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.間質性肺炎(interstitial pneumonia:IP)に合併した気胸の治療ではIPの急性増悪が問題となり,手術成績は不良である.胸膜肺実質線維弾性症(pleuroparenchymal fibroelastosis:PPFE)合併気胸に対して手術を行い良好な経過が得られた報告は少ない.症例.69歳,男性.PPFEの診断で在宅酸素療法を導入されていた.両側軽度気胸を発症し経過観察されたが,左気胸が進行した.胸腔ドレナージ後に自己血による胸膜癒着療法を6回行ったが奏効せず,右側にドレーンを留置後,左気胸に対し胸腔鏡補助下肺瘻閉鎖術を行った.IPの急性増悪を予防するため手術手技を工夫し,肺保護換気を行った.術後は合併症なく,術後9日目に退院となった.術後5か月間左気胸の再発なく経過した.結語.PPFE合併気胸であっても,IPの急性増悪に注意し手術を遂行することにより良好な転帰が得られる可能性がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.45.5_333