初回発症の19年後に対側肺に発症した二次性気管支動脈蔓状血管腫の1例
背景.気管支動脈蔓状血管腫は気管支動脈の拡張・蛇行を特徴とした血管の形態異常であり,喀血の鑑別疾患に挙げられる稀な疾患である.喀血をきたす肺疾患として,肺結核症や気管支拡張症,肺癌などは頻度の高い疾患であるがその原因が明らかでない場合,特発性肺出血と診断されることが多い.症例.59歳男性が喀血を主訴に来院した.胸部CTで右肺にすりガラス陰影を認め,気管支鏡検査では右B3入口部に凝血塊を認めた.気管支動脈造影(bronchial arteriography:BAG)で右気管支動脈上枝に血管異常を認め,気管支動脈蔓状血管腫と診断し気管支動脈塞栓術(bronchial artery emboliza...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2022/09/25, Vol.44(5), pp.387-391 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.気管支動脈蔓状血管腫は気管支動脈の拡張・蛇行を特徴とした血管の形態異常であり,喀血の鑑別疾患に挙げられる稀な疾患である.喀血をきたす肺疾患として,肺結核症や気管支拡張症,肺癌などは頻度の高い疾患であるがその原因が明らかでない場合,特発性肺出血と診断されることが多い.症例.59歳男性が喀血を主訴に来院した.胸部CTで右肺にすりガラス陰影を認め,気管支鏡検査では右B3入口部に凝血塊を認めた.気管支動脈造影(bronchial arteriography:BAG)で右気管支動脈上枝に血管異常を認め,気管支動脈蔓状血管腫と診断し気管支動脈塞栓術(bronchial artery embolization:BAE)を施行した.その後血痰は消失し現在まで再発なく経過している.本症例は今回の発症の19年前に左気管支動脈蔓状血管腫に対しBAEを行っていた.前回のBAGでは右気管支動脈に異常血管は認めず,二次性気管支動脈蔓状血管腫と診断した.二次性の原因としては炎症や腫瘤は認めず,喫煙が蔓状血管腫の成因に関係している可能性がある.結論.重喫煙者の特発性喀血症では,二次性気管支動脈蔓状血管腫の発症も鑑別に挙げ,BAGの施行を検討すべきである.禁煙管理で喀血再発の有無をフォローアップすることが今後の外来診療において重要となる. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.44.5_387 |