局所麻酔下胸腔鏡検査が診断に有用であった胸膜転移のみを有する腎細胞癌の1例

背景.胸膜腫瘍と悪性胸水の原因として腎細胞癌が鑑別に挙がることは少ない.胸膜にのみ転移巣を有する腎細胞癌を局所麻酔下胸腔鏡検査で診断した症例を報告する.症例.85歳,男性.労作時呼吸困難を主訴に前医を受診し,左胸水を指摘され当院を受診した.胸部CTで左胸水と左胸膜に沿い多発する結節影を認めたが,肺野に明らかな結節影や腫瘤影を認めなかった.胸水検査でも有意な所見を認めなかった.局所麻酔下胸腔鏡検査で壁側胸膜に不整な易出血性の病変を認め,生検により淡明細胞型腎細胞癌の組織診断となった.追加の画像検査で右腎に腎細胞癌に一致する所見のみを認め,腎細胞癌の胸膜転移の診断に至った.結語.胸膜腫瘍と悪性胸水...

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Veröffentlicht in:気管支学 2022/07/25, Vol.44(4), pp.285-289
Hauptverfasser: 蝶名林, 賢, 北野, 正剛, 丸田, 竜介, 松本, 崇平, 西山, 直樹, 増尾, 昌宏, 小林, 正芳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.胸膜腫瘍と悪性胸水の原因として腎細胞癌が鑑別に挙がることは少ない.胸膜にのみ転移巣を有する腎細胞癌を局所麻酔下胸腔鏡検査で診断した症例を報告する.症例.85歳,男性.労作時呼吸困難を主訴に前医を受診し,左胸水を指摘され当院を受診した.胸部CTで左胸水と左胸膜に沿い多発する結節影を認めたが,肺野に明らかな結節影や腫瘤影を認めなかった.胸水検査でも有意な所見を認めなかった.局所麻酔下胸腔鏡検査で壁側胸膜に不整な易出血性の病変を認め,生検により淡明細胞型腎細胞癌の組織診断となった.追加の画像検査で右腎に腎細胞癌に一致する所見のみを認め,腎細胞癌の胸膜転移の診断に至った.結語.胸膜腫瘍と悪性胸水が疑われるものの画像検査や胸水検査で疾患が特定できない場合,積極的に局所麻酔下胸腔鏡検査を考慮するべきである.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.44.4_285