肺癌術後の気管支瘻による呼吸不全に対して,片側を閉鎖したDumon stentを用いることで回復し得た1例

背景.肺切除術後の気管支瘻の対応には難渋することが多い.症例.77歳男性.左肺癌に対して左下葉切除術,右肺癌に対して右S2部分切除術と右S9+10区域切除術を異時性に施行し,同時性3重複肺癌と診断した.右肺癌の術後2か月時に右S9+10区域切除後の気管支瘻と診断し開窓術を施行した.その9か月後にB9+10に対してEndobronchial Watanabe Spigotを留置して筋弁充填・胸郭成形術を施行したが,気管支瘻孔部の閉鎖が不十分で再度膿胸腔を形成したため再開窓した.再開窓時,気管支瘻孔部は約9 mmの大きさで,徐々に呼吸困難が出現した.苦肉の策としてDumon stentを用いること...

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Veröffentlicht in:気管支学 2022/05/25, Vol.44(3), pp.221-227
Hauptverfasser: 樋口, 光徳, 小泉, 達彦, 鈴木, 朋子, 斎藤, 美和子, 押部, 郁朗, 添田, 暢俊, 齋藤, 拓朗, 新妻, 一直, 鈴木, 弘行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺切除術後の気管支瘻の対応には難渋することが多い.症例.77歳男性.左肺癌に対して左下葉切除術,右肺癌に対して右S2部分切除術と右S9+10区域切除術を異時性に施行し,同時性3重複肺癌と診断した.右肺癌の術後2か月時に右S9+10区域切除後の気管支瘻と診断し開窓術を施行した.その9か月後にB9+10に対してEndobronchial Watanabe Spigotを留置して筋弁充填・胸郭成形術を施行したが,気管支瘻孔部の閉鎖が不十分で再度膿胸腔を形成したため再開窓した.再開窓時,気管支瘻孔部は約9 mmの大きさで,徐々に呼吸困難が出現した.苦肉の策としてDumon stentを用いることとした.Dumon stentの片側を閉鎖し,開窓部から閉鎖側を先端として瘻孔部に挿入した.その後,人工呼吸器での呼吸管理,気管切開および声門閉鎖を要したが,Dumon stent留置後4か月で自宅退院となった.結語.片側を閉鎖したDumon stentの使用は気管支瘻による呼吸不全からの回復に有効であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.44.3_221