軟性気管支鏡下に高周波スネアにて切除しえた術後気管支内転移した胸腺腫の1例

背景.胸腺腫の気管支内転移は稀である.胸腺腫の左主気管支閉塞による呼吸状態悪化に対して気道インターベンションを行ったため,稀な症例として報告する.症例.80歳代男性.2014年に胸腺腫に対して拡大胸腺摘出術が施行され,外来通院中であった.2020年8月の気管支鏡検査で左上葉入口部に腫瘤性病変を認めたが,組織学的診断が得られていなかった.2021年4月に前医で腫瘤性病変に対して気管支鏡下生検が施行されたところ,腫瘍が左主気管支を閉塞し無気肺となり,呼吸不全を来したため気道インターベンション目的に当院に紹介となった.軟性気管支鏡下に高周波スネアを用いて腫瘍切除を行い,胸腺腫の気管支内転移と診断した...

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Veröffentlicht in:気管支学 2022/03/25, Vol.44(2), pp.171-176
Hauptverfasser: 瀧川, 雄貴, 佐藤, 賢, 工藤, 健一郎, 松本, 奨一朗, 栗林, 忠弘, 大西, 桐子, 光宗, 翔, 渡邉, 洋美, 佐藤, 晃子, 藤原, 慶一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.胸腺腫の気管支内転移は稀である.胸腺腫の左主気管支閉塞による呼吸状態悪化に対して気道インターベンションを行ったため,稀な症例として報告する.症例.80歳代男性.2014年に胸腺腫に対して拡大胸腺摘出術が施行され,外来通院中であった.2020年8月の気管支鏡検査で左上葉入口部に腫瘤性病変を認めたが,組織学的診断が得られていなかった.2021年4月に前医で腫瘤性病変に対して気管支鏡下生検が施行されたところ,腫瘍が左主気管支を閉塞し無気肺となり,呼吸不全を来したため気道インターベンション目的に当院に紹介となった.軟性気管支鏡下に高周波スネアを用いて腫瘍切除を行い,胸腺腫の気管支内転移と診断した.腫瘍切除後は,切除断端からの出血をアルゴンプラズマ凝固にて止血し,呼吸状態も改善したため,前医に転院となった.結論.軟性気管支鏡下に高周波スネアを用いて安全に胸腺腫の気管支内転移を切除しえた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.44.2_171