血痰を主訴に発見された気管憩室の2例

背景.気管憩室は比較的稀な疾患である.今回我々は血痰を主訴に発見された気管憩室を2例経験した.症例1.78歳男性.発熱と血痰を主訴に来院.CTで両側肺の気管支拡張像と気管右側に囊胞様陰影を認めた.気管支鏡検査を施行したところ吸気時のみ開放する陥凹性変化を認め気管憩室と診断した.症例2.71歳男性.わずかな血痰を主訴に来院.CTで上部気管右側に囊胞性陰影を認めた.気管支鏡検査では壁外性の膨隆変化と膜様部の陥凹性変化を認めたが,明らかな瘻孔は認めなかった.結論.気管憩室はCTで偶発的に見つかることがあるが気管支鏡検査でも瘻孔の発見は容易ではない.また憩室内の貯留物が肺炎の一因にもなりうるため注意が...

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Veröffentlicht in:気管支学 2022/03/25, Vol.44(2), pp.136-140
Hauptverfasser: 佐藤, 史朋, 石井, 信
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管憩室は比較的稀な疾患である.今回我々は血痰を主訴に発見された気管憩室を2例経験した.症例1.78歳男性.発熱と血痰を主訴に来院.CTで両側肺の気管支拡張像と気管右側に囊胞様陰影を認めた.気管支鏡検査を施行したところ吸気時のみ開放する陥凹性変化を認め気管憩室と診断した.症例2.71歳男性.わずかな血痰を主訴に来院.CTで上部気管右側に囊胞性陰影を認めた.気管支鏡検査では壁外性の膨隆変化と膜様部の陥凹性変化を認めたが,明らかな瘻孔は認めなかった.結論.気管憩室はCTで偶発的に見つかることがあるが気管支鏡検査でも瘻孔の発見は容易ではない.また憩室内の貯留物が肺炎の一因にもなりうるため注意が必要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.44.2_136