COVID-19流行期におけるニューモシスチス肺炎の2症例
背景.新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)流行期において,気管支鏡検査はエアロゾルが発生するため,COVID-19を疑う症例では感染防御を徹底しなければならない.一方ニューモシスチス肺炎(pneumocystis pneumonia:PCP)は画像所見がCOVID-19と類似しており,両者の鑑別には気管支鏡検査が必要である.症例1.40歳代男性.発熱を主訴に受診,肺炎と診断し抗菌薬加療を行うも改善しなかった.HIV抗体陽性,β-Dグルカン陽性,C7-HRP陽性であり,PCP,サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2022/01/25, Vol.44(1), pp.79-85 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)流行期において,気管支鏡検査はエアロゾルが発生するため,COVID-19を疑う症例では感染防御を徹底しなければならない.一方ニューモシスチス肺炎(pneumocystis pneumonia:PCP)は画像所見がCOVID-19と類似しており,両者の鑑別には気管支鏡検査が必要である.症例1.40歳代男性.発熱を主訴に受診,肺炎と診断し抗菌薬加療を行うも改善しなかった.HIV抗体陽性,β-Dグルカン陽性,C7-HRP陽性であり,PCP,サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)感染症を疑った.気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid:BALF)にてニューモシスチスPCR法とCMV PCR法が陽性でありPCP,CMV感染症と診断した.症例2.70歳代女性.関節リウマチ,リウマチ性多発筋痛症に対し免疫抑制薬にて加療中に悪寒発熱を主訴に受診,肺炎と診断し抗菌薬加療を行うも改善せず,HIV抗体は陰性だったがβ-Dグルカン陽性でありPCPを疑った.BALFにてニューモシスチスPCR法陽性であり,PCPと診断した.結論.COVID-19流行期において気管支鏡検査にて診断したPCPの2症例を経験した.COVID-19は肺炎を起こす疾患の1つであり,他疾患と同等に精査を進めることが重要であり,気管支鏡検査は感染防御を徹底して施行しなければならない. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.44.1_79 |