EWS (Endobronchial Watanabe Spigot) の適応と実際

「1. はじめに」EWS(R) (Endobronchial Watanabe Spigot) (Novatech, La Ciotat, France) は故渡辺洋一先生が開発された, シリコン製の気管支充填材である. 気管支鏡を用いてEWSを気管支に充填し閉塞することにより, 種々の難治性病態を改善しようとするために用いられる. 2013年に「気管支瘻孔閉鎖術」として保険収載され, 現在の適応としては続発性難治性気胸, 肺切除後の遷延する気漏, 有瘻性膿胸, 他臓器との気管支瘻, 遷延する気管支出血となっている. これらの病態を伴う症例は, 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) や間質性肺炎,...

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Veröffentlicht in:気管支学 2021-11, Vol.43 (6), p.662-666
1. Verfasser: 木田博隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」EWS(R) (Endobronchial Watanabe Spigot) (Novatech, La Ciotat, France) は故渡辺洋一先生が開発された, シリコン製の気管支充填材である. 気管支鏡を用いてEWSを気管支に充填し閉塞することにより, 種々の難治性病態を改善しようとするために用いられる. 2013年に「気管支瘻孔閉鎖術」として保険収載され, 現在の適応としては続発性難治性気胸, 肺切除後の遷延する気漏, 有瘻性膿胸, 他臓器との気管支瘻, 遷延する気管支出血となっている. これらの病態を伴う症例は, 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) や間質性肺炎, 悪性腫瘍などが原因疾患であることが多く, 全身状態が不良で呼吸機能が低下していることも多い. その中でも手術が困難なものがEWSの適応となるため, 実際には肺炎や膿胸などの感染症, 間質性肺炎の増悪などは高頻度に認められ, 数か月にわたる加療中に命を落としてしまう症例も, 当院のデータで10~20%は存在する.
ISSN:0287-2137