術前の経気管支肺生検後に呼吸器感染症を発症した肺癌の手術経験
背景.経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy:TBLB)後に発症する呼吸器感染症は稀であるが,治療開始の遅延や手術操作が困難になる原因となるため回避すべき合併症である.症例1.53歳男性.TBLB後16日目に肺膿瘍を発症し24日目に右上葉切除を行った.輸血は要したが術後経過は良好であった.術後補助化学療法を行い生存中である.症例2.57歳男性.TBLB後7日目に肺炎を発症し,抗菌薬療法とステロイド治療を行い43日目に右上葉切除を行った.高度癒着のため剝離に難渋した.術後補助化学療法を行ったが,術後1年で肺尖部胸壁に局所再発を認め放射線治療施行,術後4年で再増大し化...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2021/09/25, Vol.43(5), pp.491-497 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy:TBLB)後に発症する呼吸器感染症は稀であるが,治療開始の遅延や手術操作が困難になる原因となるため回避すべき合併症である.症例1.53歳男性.TBLB後16日目に肺膿瘍を発症し24日目に右上葉切除を行った.輸血は要したが術後経過は良好であった.術後補助化学療法を行い生存中である.症例2.57歳男性.TBLB後7日目に肺炎を発症し,抗菌薬療法とステロイド治療を行い43日目に右上葉切除を行った.高度癒着のため剝離に難渋した.術後補助化学療法を行ったが,術後1年で肺尖部胸壁に局所再発を認め放射線治療施行,術後4年で再増大し化学療法を行い生存中である.症例3.65歳男性.TBLB後5日目に膿胸を発症し16日目に手術を行った.線維素膿性期の全膿胸の状態であったが右中下葉切除を行い術後経過は良好であった.術後補助化学療法は行わず生存中である.結論.臨床的に手術適応の肺癌が強く疑われる場合,感染症発症のリスクが高い場合はTBLBを行わずに手術に臨むことを考慮してもよいと考えられる.その一方で,ハイリスク症例に対してTBLBを行う必要がある場合は,抗菌薬投与などの予防策を考慮すべきと考えられる. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.43.5_491 |