2回の気管支ステント挿入とphotodynamic therapyを含む集学的治療により全身状態の低下を伴わずに9th-lineまでの化学療法を継続しえた肺扁平上皮癌の1例

症例.62歳男性.X年3月,発熱時の胸部X線異常を契機に右肺下葉扁平上皮癌cT2bN3M0,cStage IIIBの診断となった.Carboplatin+nab-paclitaxel投与および気道狭窄解除目的の緩和放射線照射30 Gyを右下葉に実施したが,X+1年1月に胸膜播種が出現した.以後,化学療法を切り替えながらX+4年4月より8th-line S-1投与に至ったが,腫瘍増大による右主気管支狭窄が進行した.同年4月に右主気管支腫瘍debulkingおよび右主気管支~上葉支への金属ステント(uncovered)挿入を行うも,短期間にステント内への腫瘍進展を認めた.ステント抜去および金属ステ...

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Veröffentlicht in:気管支学 2021/09/25, Vol.43(5), pp.473-479
Hauptverfasser: 生島, 弘彬, 平石, 尚久, 田宮, 浩之, 天野, 陽介, 鹿毛, 秀宣, 田中, 剛, 佐藤, 雅昭, 松元, 祐司, 土田, 敬明, 長瀬, 隆英
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例.62歳男性.X年3月,発熱時の胸部X線異常を契機に右肺下葉扁平上皮癌cT2bN3M0,cStage IIIBの診断となった.Carboplatin+nab-paclitaxel投与および気道狭窄解除目的の緩和放射線照射30 Gyを右下葉に実施したが,X+1年1月に胸膜播種が出現した.以後,化学療法を切り替えながらX+4年4月より8th-line S-1投与に至ったが,腫瘍増大による右主気管支狭窄が進行した.同年4月に右主気管支腫瘍debulkingおよび右主気管支~上葉支への金属ステント(uncovered)挿入を行うも,短期間にステント内への腫瘍進展を認めた.ステント抜去および金属ステント(covered)再挿入の上,同年7月に光線力学療法(PDT)を実施した.現在,外来通院にて9th-line vinorelbine投与を行っている.結論.肺癌に対する有効な治療薬が次々と上市される中で,気管支の狭窄・閉塞に起因する全身状態の悪化を回避しつつ,多くの薬物治療を行うために,中枢気道狭窄を伴う肺癌症例の治療においてはステントやPDTなどのインターベンションが重要な役割を果たす.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.5_473