硬性気管支鏡下に切除した縫合糸による気管支異物性肉芽腫の1例

背景.気管内の縫合糸による異物性肉芽腫(縫合糸肉芽腫)は稀である.硬性鏡下に縫合糸肉芽腫及び縫合糸の切除を行った報告は,我々が検索した限り少数であり,非常に稀であると考え,診断過程,治療法について症例報告する.症例.68歳男性.2010年に右上葉肺扁平上皮癌に対し右上葉切除及びリンパ節郭清後,再発なく経過していた.2018年の胸部造影CTで右中間気管支幹に造影効果を伴う腫瘤を指摘され,PETでFDG集積が認められた.悪性腫瘍の疑いで当院へ紹介となった.2018年12月に気管支鏡下生検を施行し,病理学的に肉芽腫の診断となったが,原因が特定できなかった.2020年5月に施行した気管支鏡検査で,アル...

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Veröffentlicht in:気管支学 2021/09/25, Vol.43(5), pp.468-472
Hauptverfasser: 瀧川, 雄貴, 佐藤, 賢, 栗林, 忠弘, 大西, 桐子, 光宗, 翔, 松浦, 宏昌, 渡邉, 洋美, 工藤, 健一郎, 佐藤, 晃子, 藤原, 慶一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管内の縫合糸による異物性肉芽腫(縫合糸肉芽腫)は稀である.硬性鏡下に縫合糸肉芽腫及び縫合糸の切除を行った報告は,我々が検索した限り少数であり,非常に稀であると考え,診断過程,治療法について症例報告する.症例.68歳男性.2010年に右上葉肺扁平上皮癌に対し右上葉切除及びリンパ節郭清後,再発なく経過していた.2018年の胸部造影CTで右中間気管支幹に造影効果を伴う腫瘤を指摘され,PETでFDG集積が認められた.悪性腫瘍の疑いで当院へ紹介となった.2018年12月に気管支鏡下生検を施行し,病理学的に肉芽腫の診断となったが,原因が特定できなかった.2020年5月に施行した気管支鏡検査で,アルゴンプラズマ凝固により焼灼を行ったところ,縫合糸が肉芽腫内部より露出した.手術時に使用した3-0ポリエステル糸による気管支縫合糸肉芽腫と診断し,硬性気管支鏡下に縫合糸及び肉芽腫の切除術を施行した.結論.硬性気管支鏡下で切除可能であった気管支の縫合糸肉芽腫を経験した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.5_468