肝切除後の気管支胆汁瘻に対してベッドサイドでのEndobronchial Watanabe Spigot挿入が一時的な全身状態改善に有効であった1例

背景.気管支胆汁瘻は気管支と胆道が交通する稀な疾患であり,治療法は確立されていない.症例.65歳男性.上行結腸癌で結腸切除術と術後化学療法を施行され,2年後に肝転移の診断で腹腔鏡下肝右葉切除術と胆囊摘出術が施行された.肝切除部位に胆汁漏を認めたものの無症状のため経過観察となっていた.10か月後に突然胆汁様喀痰が出現し,重症肺炎として入院し,人工呼吸器管理となった.胸部CTで気管支胆汁瘻が疑われたが,全身状態不良で透視室への移動が困難であり,胆汁貯留部位への経皮ドレナージは困難であった.それゆえ,ベッドサイドで気管支鏡検査を施行し,右B9より胆汁様喀痰を認めた.右B9bにEndobronchia...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 2021/07/25, Vol.43(4), pp.399-403
Hauptverfasser: 清水, 翔平, 林, 誠, 張, 秀一, 藤嶋, 彬, 刑部, 優希, 井上, 大輔, 山﨑, 洋平, 山口, 史博, 横江, 琢也, 鹿間, 裕介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支胆汁瘻は気管支と胆道が交通する稀な疾患であり,治療法は確立されていない.症例.65歳男性.上行結腸癌で結腸切除術と術後化学療法を施行され,2年後に肝転移の診断で腹腔鏡下肝右葉切除術と胆囊摘出術が施行された.肝切除部位に胆汁漏を認めたものの無症状のため経過観察となっていた.10か月後に突然胆汁様喀痰が出現し,重症肺炎として入院し,人工呼吸器管理となった.胸部CTで気管支胆汁瘻が疑われたが,全身状態不良で透視室への移動が困難であり,胆汁貯留部位への経皮ドレナージは困難であった.それゆえ,ベッドサイドで気管支鏡検査を施行し,右B9より胆汁様喀痰を認めた.右B9bにEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を挿入したところ,胆汁様喀痰の消失とともに呼吸状態は改善した.人工呼吸器を離脱し,透視下での経皮ドレナージが施行された.結語.ベッドサイドでのEWS挿入は,全身状態不良な気管支胆汁瘻に対して一時的だが有効な治療法であると考えられる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.4_399