気管支内多形腺腫に対して内視鏡治療を行い,呼吸不全の改善が得られた1例

背景.良性腫瘍により気管支が閉塞し呼吸不全を呈した場合,外科的切除または内視鏡治療が考慮される.症例.73歳男性.労作時呼吸困難を主訴に受診した.胸部X線で左上葉に無気肺を認め,胸部CTでは,左上葉気管支内を主座とし下葉気管支起始部まで進展した腫瘤を認めた.気管支鏡では,左上葉気管支内より下葉気管支入口部にかけて表面平滑な腫瘤を認め,生検で多形腺腫と診断した.その後,左下葉の含気も低下し,呼吸不全となった.外科的治療は希望されず,内視鏡治療を行うこととなった.気管支鏡下にアルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation:APC)とホットバイオプシー鉗子による処置を計4回施...

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Veröffentlicht in:気管支学 2021/05/25, Vol.43(3), pp.278-282
Hauptverfasser: 児嶌, 駿, 藤井, 雅人, 森田, 芽生子, 甲斐, 翔太郎, 渡辺, 綾乃, 阿部, 岳文, 佐竹, 康臣, 佐野, 武尚, 土屋, 恭子, 山田, 孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.良性腫瘍により気管支が閉塞し呼吸不全を呈した場合,外科的切除または内視鏡治療が考慮される.症例.73歳男性.労作時呼吸困難を主訴に受診した.胸部X線で左上葉に無気肺を認め,胸部CTでは,左上葉気管支内を主座とし下葉気管支起始部まで進展した腫瘤を認めた.気管支鏡では,左上葉気管支内より下葉気管支入口部にかけて表面平滑な腫瘤を認め,生検で多形腺腫と診断した.その後,左下葉の含気も低下し,呼吸不全となった.外科的治療は希望されず,内視鏡治療を行うこととなった.気管支鏡下にアルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation:APC)とホットバイオプシー鉗子による処置を計4回施行することにより,下葉気管支が開通し呼吸状態の改善が得られた.結論.気管支内多形腺腫により呼吸不全を呈した症例に対して,APCとホットバイオプシーによる内視鏡治療が有効であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.3_278