内視鏡治療が奏効せず気管管状切除・再建術を要した挿管後気管狭窄の1例
背景.挿管後気管狭窄に対する治療は,外科的な気管切除・再建術が長期開存性に優れるとされ推奨されてきた.一方,近年内視鏡機器・技術の進歩に伴い,内視鏡下拡張術の報告も増加しているが,その適応や長期成績は十分検討されていない.症例.患者は23歳,女性.1年前に交通外傷で他院に搬送され,意識障害に対して5日間の経口気管内挿管,人工呼吸管理が施行された.抜管40日後より,咳嗽と呼吸困難を自覚し,喘息として治療されたが軽快しないため,精査・加療目的に当院へ紹介受診となった.胸部CT画像および気管支鏡検査所見上,狭窄長2.1 cmの瘢痕性気管狭窄を認め,挿管後気管狭窄の診断の元,緊急で硬性気管支鏡による拡...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2021/05/25, Vol.43(3), pp.231-236 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 背景.挿管後気管狭窄に対する治療は,外科的な気管切除・再建術が長期開存性に優れるとされ推奨されてきた.一方,近年内視鏡機器・技術の進歩に伴い,内視鏡下拡張術の報告も増加しているが,その適応や長期成績は十分検討されていない.症例.患者は23歳,女性.1年前に交通外傷で他院に搬送され,意識障害に対して5日間の経口気管内挿管,人工呼吸管理が施行された.抜管40日後より,咳嗽と呼吸困難を自覚し,喘息として治療されたが軽快しないため,精査・加療目的に当院へ紹介受診となった.胸部CT画像および気管支鏡検査所見上,狭窄長2.1 cmの瘢痕性気管狭窄を認め,挿管後気管狭窄の診断の元,緊急で硬性気管支鏡による拡張術を施行した.しかし,その後に再狭窄が生じ,硬性鏡下に拡張術を再度行ったが再々狭窄を認めたため,気管管状切除・端々吻合術を施行した.術後2年6カ月経過した現在,再狭窄の徴候は認めていない.結論.瘢痕性の挿管後気管狭窄に対し,硬性鏡下での拡張術を複数回施行したものの再狭窄を繰り返したため,外科的気道再建術を行い良好な経過を得た1例を経験した. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.43.3_231 |