尋常性乾癬に合併した器質化肺炎が疑われた1例

背景.乾癬は皮膚に炎症性角化症を来す疾患であり,免疫機構に関連した遺伝子変異の関与が指摘されている.乾癬は全身に合併症を生じうる疾患であり,乾癬に関連して間質性肺炎を生じたとする報告はあるが,関連性は未だ明らかでない.症例.72歳,男性.尋常性乾癬の診断後,生物学的製剤導入前に胸部CTを施行した.右肺下葉に浸潤影を認めたが,細菌性肺炎を疑う所見に乏しく,経過観察の方針とした.1か月後,胸部X線写真で浸潤影が拡大したため,気管支鏡検査を施行し,病理所見,臨床経過と合わせて器質化肺炎と診断した.プレドニゾロン内服による治療を開始し,陰影は著明に改善した.結論.尋常性乾癬に器質化肺炎を合併する可能性...

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Veröffentlicht in:気管支学 2021/03/25, Vol.43(2), pp.112-116
Hauptverfasser: 橋本, 恒, 渡邉, 恵介, 三宅, 暁夫, 田中, 克志, 中島, 健太郎, 原, 悠, 小林, 信明, 金子, 猛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景.乾癬は皮膚に炎症性角化症を来す疾患であり,免疫機構に関連した遺伝子変異の関与が指摘されている.乾癬は全身に合併症を生じうる疾患であり,乾癬に関連して間質性肺炎を生じたとする報告はあるが,関連性は未だ明らかでない.症例.72歳,男性.尋常性乾癬の診断後,生物学的製剤導入前に胸部CTを施行した.右肺下葉に浸潤影を認めたが,細菌性肺炎を疑う所見に乏しく,経過観察の方針とした.1か月後,胸部X線写真で浸潤影が拡大したため,気管支鏡検査を施行し,病理所見,臨床経過と合わせて器質化肺炎と診断した.プレドニゾロン内服による治療を開始し,陰影は著明に改善した.結論.尋常性乾癬に器質化肺炎を合併する可能性がある.さらなる症例の蓄積により,両疾患の関連性や病態の解明が進むことが期待される.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.2_112