ラリンジアルマスクによる呼吸管理が有用であった声門下気管狭窄症手術の1例

背景.ケロイド体質の患者は,挿管後声門下狭窄をきたす危険性が高い.狭窄部位が声門に近い場合,術中の気道確保は必ずしも容易ではない.症例.70歳女性.子宮脱や眼瞼腫瘍に対する手術で,過去10年で計9回の全身麻酔歴があった.2年前から緩徐に増悪する労作時呼吸困難感と嗄声を主訴に当院を受診し,精査の結果,瘢痕性肉芽腫による声門下狭窄と診断された.狭窄部分の気管管状切除と輪状軟骨気管吻合術を施行した.麻酔導入・維持にラリンジアルマスクを用いることで,術中の気管支鏡での気管狭窄部および切除範囲の確認が容易に可能であった.術後5日目に軽快退院した.術後1年を経過し,気管の再狭窄は認めていない.結語.ラリン...

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Veröffentlicht in:気管支学 2020/09/25, Vol.42(5), pp.456-461
Hauptverfasser: 吉安, 展将, 高原, 弘知, 小島, 史嗣, 宮城, 光正, 長坂, 安子, 板東, 徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.ケロイド体質の患者は,挿管後声門下狭窄をきたす危険性が高い.狭窄部位が声門に近い場合,術中の気道確保は必ずしも容易ではない.症例.70歳女性.子宮脱や眼瞼腫瘍に対する手術で,過去10年で計9回の全身麻酔歴があった.2年前から緩徐に増悪する労作時呼吸困難感と嗄声を主訴に当院を受診し,精査の結果,瘢痕性肉芽腫による声門下狭窄と診断された.狭窄部分の気管管状切除と輪状軟骨気管吻合術を施行した.麻酔導入・維持にラリンジアルマスクを用いることで,術中の気管支鏡での気管狭窄部および切除範囲の確認が容易に可能であった.術後5日目に軽快退院した.術後1年を経過し,気管の再狭窄は認めていない.結語.ラリンジアルマスクを用いた全身麻酔下に気管支鏡を併用し,ケロイド体質患者の声門下狭窄根治術を施行した1例を経験した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.5_456