2カ月禁煙後の経気管支肺生検で確定診断に至った肺ランゲルハンス細胞組織球症の1例

背景.気管支鏡検査での肺ランゲルハンス細胞組織球症(pulmonary Langerhans cell histiocytosis:PLCH)の診断率は高くない.気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)液でのCD1a陽性細胞が5%以上であることは有用とされるが,感度や特異度の問題が指摘されている.症例.48歳,男性.検診で胸部異常影を指摘され当院を受診した.胸部画像で両肺びまん性の囊胞を伴う結節を認め,PLCHが疑われた.初診から2カ月後,その間禁煙され画像所見が軽度改善した状況で行った気管支鏡検査では,BAL液でのCD1a陽性細胞は5.8%だったが,経気管支肺生...

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Veröffentlicht in:気管支学 2020/09/25, Vol.42(5), pp.424-429
Hauptverfasser: 片桐, 祐司, 鈴木, 博貴, 日野, 俊彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支鏡検査での肺ランゲルハンス細胞組織球症(pulmonary Langerhans cell histiocytosis:PLCH)の診断率は高くない.気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)液でのCD1a陽性細胞が5%以上であることは有用とされるが,感度や特異度の問題が指摘されている.症例.48歳,男性.検診で胸部異常影を指摘され当院を受診した.胸部画像で両肺びまん性の囊胞を伴う結節を認め,PLCHが疑われた.初診から2カ月後,その間禁煙され画像所見が軽度改善した状況で行った気管支鏡検査では,BAL液でのCD1a陽性細胞は5.8%だったが,経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy:TBLB)の病理は免疫染色でS-100陽性細胞がわずかなためPLCHの診断確定に至らなかった.追加で施行した免疫染色にてCD1a,CD207(ランゲリン)で陽性細胞の集塊を認め,PLCHと診断した.結語.禁煙で画像所見が改善してもなお,TBLB検体での免疫染色での検討からPLCHの診断確定に至る可能性がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.5_424