CT画像にて5年間の経過が確認できた,気管支異物の1例
背景.無症状である気管支異物は,長期間認識されないまま経過する可能性がある.症例.70歳,男性.2011年に当院呼吸器外科で胸腺腫摘出術を施行し,胸部CTにて毎年フォローされている.2018年12月より湿性咳嗽と発熱あり,2019年1月に当科受診.胸部エックス線写真およびCTにて右肺上葉S3bに浸潤影を認め,細菌性肺炎と診断し抗菌薬治療にて回復した.しかし,2019年2月に,やはり右S3bに細菌性肺炎が再発したため,精査加療目的に当科入院した.同部位に繰り返す肺炎の経過と無気肺があるため,浸潤影の中枢に閉塞機転の存在を疑い,気管支鏡検査を施行した.右B3b入口部に白色粘液を伴う黒色の異物を認め...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2020/03/25, Vol.42(2), pp.140-145 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 背景.無症状である気管支異物は,長期間認識されないまま経過する可能性がある.症例.70歳,男性.2011年に当院呼吸器外科で胸腺腫摘出術を施行し,胸部CTにて毎年フォローされている.2018年12月より湿性咳嗽と発熱あり,2019年1月に当科受診.胸部エックス線写真およびCTにて右肺上葉S3bに浸潤影を認め,細菌性肺炎と診断し抗菌薬治療にて回復した.しかし,2019年2月に,やはり右S3bに細菌性肺炎が再発したため,精査加療目的に当科入院した.同部位に繰り返す肺炎の経過と無気肺があるため,浸潤影の中枢に閉塞機転の存在を疑い,気管支鏡検査を施行した.右B3b入口部に白色粘液を伴う黒色の異物を認め,鋭匙を用いて慎重に摘出したところ,植物の種子であった.2011年から施行されている胸部CTで同部位を確認すると,2014年に右B3bに種子と考えられる異物が初めて出現していた.以降も1年毎のCTにて観察可能であり,次第に右B3bの入口部を閉塞していった.結論.無症状のため,5年間という長期にわたり認識されなかった気管支異物であった.経時的にCT画像で観察できた稀な症例と考え,報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.42.2_140 |