肺結核再発が疑われ気管支洗浄が診断に有用であった肺クリプトコッカス症の1例

背景.肺クリプトコッカス症はときに散布性陰影を呈し,肺結核との鑑別が困難な場合がある.症例.77歳女性.陳旧性肺結核の経過観察中に粟粒結核を発症し,Isoniazid(INH),Rifampicin(RFP),Ethambutol(EB)による化学療法を1年間施行された.治療終了半年後のCTで右S4の気管支拡張部位に散布性陰影を伴う小結節が出現,増悪したため,肺結核再発が疑われた.喀痰に有意所見なく,気管支鏡検査を施行し,気管支洗浄液培養よりCryptococcus neoformans(C. neoformans)を認めた.他臓器に問題なく,肺クリプトコッカス症と診断,Fluconazole...

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Veröffentlicht in:気管支学 2019/11/25, Vol.41(6), pp.574-579
Hauptverfasser: 田上, 陽一, 赤司, 俊介, 赤川, 志のぶ, 新福, 響太, 田村, 厚久, 川名, 明彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺クリプトコッカス症はときに散布性陰影を呈し,肺結核との鑑別が困難な場合がある.症例.77歳女性.陳旧性肺結核の経過観察中に粟粒結核を発症し,Isoniazid(INH),Rifampicin(RFP),Ethambutol(EB)による化学療法を1年間施行された.治療終了半年後のCTで右S4の気管支拡張部位に散布性陰影を伴う小結節が出現,増悪したため,肺結核再発が疑われた.喀痰に有意所見なく,気管支鏡検査を施行し,気管支洗浄液培養よりCryptococcus neoformans(C. neoformans)を認めた.他臓器に問題なく,肺クリプトコッカス症と診断,Fluconazole(FLCZ)内服治療を開始したところ,陰影は消退した.結果.結核治療後に非典型的な胸部陰影を呈した肺クリプトコッカス症の診断に気管支洗浄が有用であった.結論.結核治療後に陰影悪化を認め,喀痰抗酸菌塗抹陰性であれば,肺結核再発以外の可能性も考慮して積極的に気管支鏡検査などで精査していくべきである.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.6_574