気管支鏡検査で診断した声帯機能不全症 (Vocal Cord Dysfunction) の1例

「要約」-「背景.」声帯機能不全症(vocal cord dysfunction:以下VCD)は, 気管支喘息に合併することが多いが, 気管支鏡で診断した報告は少ない. 「症例.」54歳女性. 呼吸困難を主訴に前医を受診, 喘息発作と診断され加療を受けるも改善せず当院を受診した. 吸気時に喘鳴を聴取したが, 頸胸部CT検査では気道, 肺野とも異常を認めなかった. 呼気一酸化窒素検査(呼気NO検査)は正常であった. 気管支鏡検査では気道に異常は認めなかったが, 声帯が吸気時に閉じ, 膜様部にダイヤモンドの形状をした開口部を認め, 吸気を緩徐に行うよう指示すると吸気時の声帯の狭窄が緩和された. 以...

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Veröffentlicht in:気管支学 2019-07, Vol.41 (4), p.407-410
Hauptverfasser: 山口航, 藤井裕也, 堀江秀行, 塚尾仁一, 堺隆大, 中屋順哉, 小嶋徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」-「背景.」声帯機能不全症(vocal cord dysfunction:以下VCD)は, 気管支喘息に合併することが多いが, 気管支鏡で診断した報告は少ない. 「症例.」54歳女性. 呼吸困難を主訴に前医を受診, 喘息発作と診断され加療を受けるも改善せず当院を受診した. 吸気時に喘鳴を聴取したが, 頸胸部CT検査では気道, 肺野とも異常を認めなかった. 呼気一酸化窒素検査(呼気NO検査)は正常であった. 気管支鏡検査では気道に異常は認めなかったが, 声帯が吸気時に閉じ, 膜様部にダイヤモンドの形状をした開口部を認め, 吸気を緩徐に行うよう指示すると吸気時の声帯の狭窄が緩和された. 以上よりVCDと診断し, 緩徐な吸気による呼吸指導にて呼吸困難の軽減が得られた. 「結論.」難治性喘息の場合はVCDの存在も念頭に入れる必要があり, その診断に気管支鏡検査は有用であると考えられた.
ISSN:0287-2137