永久気管孔から気道熱傷受傷後5日目に呼吸困難を呈した1例

背景.気道熱傷は通常咽頭・声門・喉頭にとどまる.今回,永久気管孔より気管・気管支に直接熱傷を負い,受傷5日目に呼吸困難を生じた1例を経験した.症例.59歳女性.主訴は呼吸困難であった.10年前に喉頭癌に対して喉頭全摘術,永久気管孔が造設され自己吸痰が可能であった.既往歴にC型肝炎による肝硬変があった.年末年始に露天で五平餅を焼いていた.5日後に主訴を生じた.気管切開孔および近傍の皮膚に熱傷はなかった.即日気管支鏡検査を施行,気管・両側主気管支が滲出液・血液成分・吸入物質により閉塞していた.生理食塩液の吸入で加湿し,気管支鏡によって塞栓物を吸引除去した.入院3日後の気管支鏡検査では気管・気管支粘...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 2019/01/25, Vol.41(1), pp.51-54
Hauptverfasser: 杉浦, 八十生, 藤本, 博行, 橋詰, 寿律, 根本, 悦夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気道熱傷は通常咽頭・声門・喉頭にとどまる.今回,永久気管孔より気管・気管支に直接熱傷を負い,受傷5日目に呼吸困難を生じた1例を経験した.症例.59歳女性.主訴は呼吸困難であった.10年前に喉頭癌に対して喉頭全摘術,永久気管孔が造設され自己吸痰が可能であった.既往歴にC型肝炎による肝硬変があった.年末年始に露天で五平餅を焼いていた.5日後に主訴を生じた.気管切開孔および近傍の皮膚に熱傷はなかった.即日気管支鏡検査を施行,気管・両側主気管支が滲出液・血液成分・吸入物質により閉塞していた.生理食塩液の吸入で加湿し,気管支鏡によって塞栓物を吸引除去した.入院3日後の気管支鏡検査では気管・気管支粘膜の浮腫は残存したが,7日後にはほぼ正常に回復した.結論.永久気管孔から直接気道熱傷を負った場合,受傷後遅れて塞栓物により気道閉塞が生じることがあり,経時的に呼吸状態の注意深い観察を要する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.1_51