自家蛍光気管支鏡を用いたサルコイド病変に対する気管支粘膜生検の有効性

背景.サルコイドーシス(以下,サ症)に対する気管支粘膜生検(endobronchial biopsy:EBB)は,組織診断において安全かつ補助的な有用性が報告されている.目的.サ症の気道内病変の検出,EBB施行部位の選択において自家蛍光気管支鏡(autofluorescence imaging bronchoscopy:AFI)の有用性を検証する.方法.AFI未施行群39例,AFI施行群22例について,EBB施行症例における肉芽腫病変の検出率を比較検討した.結果.AFI未施行群でEBBが施行されたものは21例で,そのうち10例(47.6%)で肉芽腫陽性であった.AFI施行群では13例にEBBが...

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Veröffentlicht in:気管支学 2018/11/25, Vol.40(6), pp.542-547
Hauptverfasser: 青木, 亮太, 叶, 宗一郎, 藤倉, 雄二, 神崎, 裕二, 太田, 真一郎, 黒川, 敦志, 淡島, 舞子, 児玉, 達哉, 田上, 陽一, 川名, 明彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.サルコイドーシス(以下,サ症)に対する気管支粘膜生検(endobronchial biopsy:EBB)は,組織診断において安全かつ補助的な有用性が報告されている.目的.サ症の気道内病変の検出,EBB施行部位の選択において自家蛍光気管支鏡(autofluorescence imaging bronchoscopy:AFI)の有用性を検証する.方法.AFI未施行群39例,AFI施行群22例について,EBB施行症例における肉芽腫病変の検出率を比較検討した.結果.AFI未施行群でEBBが施行されたものは21例で,そのうち10例(47.6%)で肉芽腫陽性であった.AFI施行群では13例にEBBが施行され,11例(84.6%)で肉芽腫陽性であり,AFI施行群で肉芽腫陽性率が高い傾向があったが有意差はみられなかった(p = 0.067).特に認識しづらい非結節性病変に対するEBBにおいてAFI未施行例では9例中2例(22.2%),AFI施行例では3例中3例(100%)で肉芽腫陽性であり,AFI使用による非結節病変での検出率,肉芽腫陽性率の向上が示唆された.また症例毎の肉芽腫陽性率での比較検討では,AFI施行群で高い肉芽腫陽性率であった(p=0.032).結論.サ症の診断においてAFIを用いたEBBは病変部位の検出,診断率向上に寄与する可能性が示唆された.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.40.6_542